本来であれば第一番の杉本寺さまへ詣で発願参拝を致すのが筋なのですが、そこはそれ、回り順につきましては三十三観音巡りのHPにも自由とありますし、本当の巡礼では「納経法印」を納経帳なり笈摺なりに詣でたお寺さまで頂戴するのですが、小生は思うところがありまして、これを成しておりませんので、この先もあまり片意地を張らずに詣でさせていただこうと思っております。
さて、1/13に最初にお伺いした観音さまは・・・。
2017/01/13撮影 板東三十三観音、第3番祇園山安養院(田代観音)、本堂

鎌倉大町から逗子名越へ抜ける県道沿いにおわします、田代観音、安養院さまです。
湘南のお寺さまらしく、山門から境内へと足を踏み入れさせて頂きますと、ソテツの大樹がお出迎えして頂けます。
安養院さまというと5月になりますと県道脇の寺生垣として植えられた長大なサツキの大群花でつとに有名なお寺さまで、ご本尊様は千手観音さまです。小生はこちらで、観音さまに以前、ご真言を授けて頂いたと思っておるのですが、ご真言がなかなか入らず苦労しておりました。
ご本堂裏に鎌倉幕府の尼将軍、頼朝公ご妻女の北条政子さまの供養塔がございます。ご本堂前庭には樹齢700年と言われる槇の古木↓が冬でも緑の枝葉を茂らせておりました。
〃 槇の古木※背景に植わっているのがサツキの群木です。

お車で参詣される皆様は檀家様用の駐車場しかございませんので、寺前のコインPへお停めくださいまして、ご参拝なされると宜しいかと存じます。
安養院さまをお暇し、次にお伺い致しますのは逗子東方、名越山稜に続く岩殿山におわします岩殿観音、岩殿寺さまです。
2018/01/13撮影 第2番海雲山岩殿寺(岩殿観音)、本堂

こちらのお寺さまは以前からお名前だけは存じておりましたが、一度場所を確認したままお伺いせずにしておりました。今回の三十三観音巡りで初めてお伺いした次第です。
鎌倉からは名越のトンネルを抜けて、横須賀線の踏切を渡り、これからの季節、湘南では一二を争う古桜樹のトンネルで有名な逗子ハイランド方面へと登っていけば着くと思っておりましたら、実はお寺様は山の海側に開けた谷戸奥ございまして、ナビに頼りつつも古い住宅街の路地を入っていくので道が細く、曲がり角がわからずに結構苦労致して駐車場へと到着することが出来ました。
ビックリすることに、こちらのお寺さまは岩殿山の山上におわしますことで、市街地至近のお寺さまであられながら、実に静謐で明るい環境の中に開かれており、その清々しさにちょっと感動してしまいました。
観音堂へと続く参道階段から振り返りますと、ご門前に寺伝が綴られた案内板がございまして、そちらに綴られております通り、開山時にこの場所へお寺さまを建立なされた事は然もありなん、と納得致してしまう景色↓が眼下に広がっていました。
〃 観音堂参道より逗子海岸を望む

遠目に海がキラキラと輝いておりまして、実に美しい逗子の谷戸筋の景色は今も昔も変わらずに、観音さまのお目には映っておられるのであろうと感じます。ご本尊様は十一面観音さま。秘仏ですので、きっとお優しい眼差しで逗子の地を眺められておられるであろう、そのお顔とお姿が拝見できませんのが残念でございます。
〃 山門の笹竜胆紋、彫刻

景色に感動しつつ、お暇致そうと参道の階段を下り、古びた山門を潜りましたら扉の御紋が目に入りました。なんとも豪奢な笹竜胆の浮き彫りに頼朝公の帰依深かったことを思い出し、改めてこのお寺さまの格を納得致した次第でございます。
お車で参詣される時は山門下にお寺さまの広い駐車場がございますので、駐車場所には困らないと思われますが、お寺さまへの道が古よりの路地然とした細い生活街路でございますので、通行にはくれぐれもご注意願いたいと存じます。
岩殿観音さまをお暇した後は、少し早いですが本日最期のお詣り先、杉本観音さまへと足を向けました。足順からいくと岩殿観音さまからは逗子ハイランドを抜けて金沢街道へと出ると、ちょうど良い流れで杉本観音さまへ到着できます。
2018/01/13撮影 第1番大蔵山杉本寺(杉本観音)、本堂

板東三十三観音巡り、発願の第一番寺杉本観音さまは小生にはずいぶんと昔からおなじみのある観音さまでございますが、しっかりとご真言を唱えさせて頂いてお詣りさせていただき始めましたのは、最近のことでございます。
従って、こちらのご本尊さま、十一面観音さま※秘仏にはご真言を頂戴致しておりませんで、十一面観音さまのご真言は長谷の大観音さまに頂戴致したと思っております。ただ、お堂内におわす地蔵菩薩さまと毘沙門天さまにはご真言を頂戴致しておると感じておりまして、不動明王さまにもご真言を頂戴頂けているとは思うのですが、小生の修行不足から未だに、こちらのお不動さまの前ではあやふやなご真言しか唱えることが出来ず、いつも冷や汗一斗であるのが、お恥ずかしく・・。
と言うわけでして、杉本寺さまでの撮影カットは結局いつも同じこの構図取りとなってしまいます。インスタグラムなどでは山門から境内への「苔の階段」※通行禁止の写真もよく取り上げられておりますが、小生も何度か撮影致しましたが、未だ良いものが撮れずにおります。
ご本堂内の古よりの古く大きな地蔵菩薩さま、観音立像さまには魂がこもられているという暖かさをしっかりと感じられますので、観光でお詣りなされた方々も仏様を身近に感じられると思いますが、本堂の背後にも古より鎮座なされております白山権現様もおられますし、山門よりお詣りになられた参詣客をお迎えなされている弁財天さまもおられます。写真にありますように古い五輪塔群とそれらをお守りなされているお地蔵さまも本堂脇におられますので、是非ともこれら仏さま方にも手を合わせてお詣りくださいませ。
小生は発願の代わりにとこちら様で「金剛杖」※2000円と観音霊場勤行式※お経集、500円を頂戴致しました。今までは長野善光寺様で頂戴した勤行集でお経を唱えさせて頂いておりましたが、十句観音経が入っておりませんで未だ、このお経も頭に入っておらぬ小生、スマホで呼び出して唱えておりまして、これが勤行式に入っているだけでもう、すぐ頂戴致しました次第。
杉本寺のかやぶき屋根のご本堂は中におわします仏さま方のお力とご信仰なされておられる方々の心根の大きさで、いつ訪れてもホンワカとした優しい景色・空間を見せていただき、また体感させて頂けます。境内の奉納旗が多いのも観音さま仏さまの御利益が大きいことを示しておられるのでしょうね。
小生にとって、何かあるとすぐ思い浮かぶのは長谷の大観音/御前立さまでございますが、杉本寺の仏さま方もご無沙汰致しておると、フッと思い立つことが多いです。そろそろ詣でに来ぬか?と呼んで頂いているようで、有り難い仏さま方なのです。
なお、杉本観音さまには駐車場がございません。ご門前に新しくコインPが出来ましたのでそちらをご利用になられるのが、観音さまへは一番お近いのですが、近隣には報国寺など、二階堂の名刹も多く、おすすめは浄妙寺さまへ続く県道入り口の駐車場に停められて、二階堂の名刹を訪ねられつつ杉本観音さまへお詣りなされるのが宜しいかと存じます。ただ、梅の季節は浄妙寺さまは大名所ですので混雑必至ですが。
浄妙寺さまにはご本堂に鎌倉三十三観音巡りの聖観世音菩薩がおられます。忘れずにご参拝くださいませ。