国際保健活動は、ヘルスケアを世界中の人々に持続的に提供することを具体的な目標として活動しています。
「ヘルスケア」とは、病気を治療することだけに限らず、疾病予防や健康増進に努めていくことです。
こうした国際保健活動の中心となる取り組みとして、
①プライマリー・ヘルスケアと②ヘルス・プロモーションがあります。
①プライマリー・ヘルスケア
１９７８年、旧ソ連のアルマ・アタにおいて、WHO（世界保健機関）とUNISEF（国際連合児童基金）が中心になり、プライマリー・ヘルスケアに関する国際会議が開催されました。世界１４０カ国の代表が集まるこの会議で、各国が基本的保健医療計画を進めることが採択されています。
このアルマ・アタ宣言でプライマリー・ヘルスケアが次のように定義されています。
「自助と自決の精神に則り、地域社会また国が、開発の程度に応じて負担可能な費用の範囲内で地域社会の個人または家族の十分な参加によって彼らが普遍的に利用できる実用的で科学的に適正で、かつ社会的に受け入れられる手順と技術に基づいた、欠くことのできない保健サービスである。」
ちょっと，難しいかもしれません。
国によって、文化や社会状況、政治がいろんな形を取るため、具体的な内容はその国よって異なることを意味します。
したがって、WHOでは、保健システムの中のプライマリー・ヘルスケアとして、次のことを盛り込むべきだとしています。
①正常な栄養摂取の推進と安全な水の十分な供給
②基礎的な環境衛生
③家族計画を含めた母子保健
④主要伝染病にたいする予防接種
⑤地方流行病の予防と治療
⑥主要な保健問題およびその対策に関する教育
⑦ふつうの病気と負傷の適切な治療
有資格者、医師、看護師、助産師などだけでなく、行政、住民、保健医療スタッフも巻き込んだチームワークの力で推進していかなければならないことも提言されてます。
また発展途上刻と先進国との医療格差、健康状態やヘルスケアに歴然たる差があることに触れ
、その格差の解消が社会や経済の開発に非常に大切であるとも言及されました。