植物観察の会にお世話になって10年は過ぎ去っている。いまだに皆さんほど植物の同定ができない。逆に考えるといつでも新鮮な驚きを持つことができる。ただ、これから先を考えても皆さんほどの同定力は望めない。
9日は記念碑台で環境学習があった。これにお手伝いで参加した。本来は子供連れの家族を対象としていたのだが大人しか応募しなかったらしい。S先生について記念碑台の周りを歩く。先生曰く「名前を憶えても仕方ないよ。」「一生懸命一杯覚えた私が言うのだから間違いはない。」とありがたいお言葉をいただく。
先生は動植物の生態に注目をされているみたいである。ビジターセンター前の花壇でヨモギの蕾を観察する。普通の人はムクゲの花に目が行くのだが、ヨモギがそれぞれの高さになっているのはその環境で決まるということに注意を向けると楽しいとのことであった。
ミンミンゼミの鳴き声もじっくりと聞く。セミによって何回鳴くのかがほぼ決まっている。時々のどを詰まらせたりするのが可愛い。こんなことは今まで経験できなかった。来年の楽しみができた。
駐車場でマタタビの虫こぶを集める。いっぱい並べるとみんな形が違うことがわかる。
図鑑に載っているものが「普通」ではないということがこれでわかる。
白線上のものはアケビかムベの実である。これも形が違う。
なんてことはないウツギ。
赤いほうの枝はあまり伸びていないが黄色いほうだけするっと伸びている。こちらへ成長すると木が決めたようだ。また、枝についている葉も様々だ。
葉の付いている場所で大きさが決まるようだ。
こういう視点で見たことはなかった。なかなか面白いものだ。
ハコネウツギは実をつける枝と成長する枝に役割分担をしている。赤色が実をつけている枝、黄色が成長する枝である。
人に踏まれて断面が面白く見えるオオバヤシャブシの実。こんなものは今まで目に入ってこなかった。
ササの葉は光を受けやすいほうに育っているのがわかる。これはし道端の斜面に生えているのでみんな同じ方向に育つ。
平たんなところに生えているといろいろな向きに育つ。
地衣類からコケ、草と植物が変化していく。
最後に升目に入るものを集めた。
いろいろなものが自然界にあるというのが一目瞭然である。
なかなか面白い研修会であった。