夏の伊吹山 | カメポンニュの足跡

カメポンニュの足跡

関西がホームグランドです。自転車や徒歩、自家用車であちらこちらを本能のままうろついています。

 7月30日から31日にかけて伊吹山に行くことになった。30日の夜に山頂の駐車場で星空観望会がある。天気が良ければ天の川も見られるはずだ。多分望遠鏡も持ち込まれると思うので白鳥座のアルビレオがみられるかもしれない。と、天体のことを書くのは老妻が常々「天の川を見たい。」とのたまわっているからである。毎年無視してているがぼちぼちと見せてやらねば自分一人でテンに登りそうな年になった。または、私が地の底に落ち行くかもしれない。今がチャンスとばかり、車に乗り出発する。

 ドライブウェイに入るとすぐに両側に白い花が咲いている。何かと思い覗きに行く。

 花をよく見ると、クサギみたいだ。

 ちょっと葉が大きいような気もするがまあ良いとしよう。

 途中の金名水で水をくむ。なかなかおいしい。湧き水をあまり飲んだことのない老妻はおいしさに感動していていた。安上がりな女である。

 水に満足して駐車場に到着。夜まで時間があるので山頂まで花を見に行くという。

 出発前にスカイテラスに寄り「お花辞典」を購入する。苑とは、横に「伊吹山を知る地学辞典」も売っていた。買おうと思ってみたが見本しかない。よく見ると「完売」と書いてある。でも、ここに見本は残っている。レジのお姉さんに「これをくれ」というと「だめだ」という。別の兄ちゃんに言うと「これは見本だ」という。「どうせ完売で残っていないのなら見本はいらないだろう」というと、納得して売ってくれた。ただ、表紙に貼ってある「見本」というカードはしっかりとテープで止めてあってはがすと敗れそうである。「このままでいい」といって無事にゲットした。

 辞典をゲットして西登山道へ入る。

 いろいろな花が目を楽しませてくれる。辞典をぱらぱらとめくると花の名前がわかる。

これは、シモツケソウ。

 葉が輪生なのでクガイソウ。

 このお花辞典は大正解である。ここに咲いてある花のすべてとはいかないがほぼすべてを網羅している。老妻とページを探しながら花を楽しんだ。これだけピッタリなら大丈夫。

 ただし、二人ともすぐに名前を忘れる。「確かこのページ当たりだった。」などと何度も読み返しながら歩いた。歩行能力のない老妻にとってはいいペースであった。

 頂上近くでは濃いガスに包まれた。

 頂上のお花畑。シシウドの花が面白い形だ。

 三角点は一等である。

 帰りはガスが晴れて琵琶湖を見渡すことができた。

 駐車場に戻る。5時30分なのに車がいっぱいだ。もしかしたらみんな天体観測が目的かと思えてきた。左奥のスペースでは天体望遠鏡をセットしだしている。

 19時30分からなのだが18時ごろにちょっと様子を見に行く。望遠鏡がセットされつつある。

 望遠鏡は山のほうを向いている。大きな双眼鏡を老妻が覗き込む。

 私は横の望遠鏡を覗き込む。

 山の上にはたくさんの鹿たちが草を食べていた。

 食後、19時30分ぐらいから観望会が始まった。予想通りたくさんの人がいる。観光バスが何台か到着して参加する人を吐き出していた。この人たちは20時ぐらいに帰るそうだ。ただ、この時間から山頂は濃いガスに覆われてきた。星は見えない。レーザーポインターである辺りには何があり…、などの説明があるがつまらない。風が強い。老妻は寒そうだ。時々ガスが切れるときがある。その隙にあれが大三角、北斗七星、北極星などと説明する。ただし、天の川は見えない。残念。雲の切れ間でベガを望遠鏡で見る。でも、ただの星だ。あまり感動はない。白鳥座のアルビレオをとらえている望遠鏡がありのぞかせてもらう。これは「美しい」としか言えない星である。これを見られただけでも良しとしよう。20時30分ごろには寒さで老妻が壊れそうになったので車に戻る。後は眠るだけだ。おやすみなさい…。

 

 翌朝。7時前に中央道を登りだす。私にはいい勾配だが老妻には優しくない。

 花を見て、昨日の復習をする。当然のことながら忘れまくっている。時間がかかるので休憩する必要がない。

 これはなかなか名前がわからなかったが、辞典の地図を参考にサラシナショウマであろうということになる。

 この花は小さいのでなかなか難しかったが、キヌタソウで落ち着いた。葉の形と輪生であることが決め手になった。

 頂上では今朝はガスがかかっていない。気分良く歩く。足元の石灰岩は所々に紡錘虫化石が入っているのがわかる。ウミユリの茎らしきものも何個か見つけた。

 お花畑を眺める。見たことのあるような花がある。河川敷に咲いているナヨクサフジに似ている。ただ、何となく違う。

 でも、辞典をぱらぱらとする。

「ナヨ」のない、本家のクサフジであった。本当に役に立つ辞典であった。ここからは東登山道を下る。ここは下り専用だ。他の日本と違って道幅が狭い。私にとってはかなり大げさな表現である。オオカミ少年の看板版である。

 老妻と共に無事に下山し、天の川に後ろ髪をひかれながら帰路についた。