外国人実習生の処遇 | ゆめが丘 随想

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(弁護士 亀井宏寿)

「実習生」という名目で,実質は使い捨ての労働力という粗略な扱いは,以前から問題視されていました。

 

「あなたはロボット、働け」暴言暴力…失踪相次ぐ外国人実習生 夢描き、技術学ぶはずが低賃金で過重労働(神戸新聞NEXT) - Yahoo!ニュース 

 

  

 

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「女工哀史」(細井和喜蔵。大正14年)にも描かれているように,資本主義社会では(自称社会主義社会でも?),法律や労働組合による外部的な規制がなければ,労働者の待遇は極限まで劣化してしまうものなのです。

また,外国人労働力の受け入れを考える際に,日本人の待遇を改善しないまま外国人労働力を活用しようという了見も問題です。東南アジアには,日本に実習生を送り出すための専門学校もあるそうです。親族の期待を集めて来日した彼・彼女らに深い失望を抱かせる状態がこの先も続くなら,遠くない将来,彼・彼女らの出稼ぎ先の選択肢から外されることを覚悟しなければなりません。