「風と木々」木々を揺らす風が寒さを煽る 早く帰れと促すように 木々のざわめきは救いを求める声 風にいたぶられ苦悶する木々の叫びが 寒さに拍車をかける かじかんだ手を ポケットに突っ込んでいる僕は 救いの手を差し伸べる事もままならない 落葉を巻き上げる風が寒さを募る 舞い上がった枯れ葉が 僕にまとわりつき 恨めしそうに散ってゆく時 僕は何故か罪の意識を感じ 足早に その場を立ち去るしかなかった 無力さを嘲笑うかのように 風が僕を貫いた・・・