ドキリバーサス | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・

 先日、夜中の3時半頃、タバコが切れたので近所のコンビにまで買いに行った。 タバ




コ2箱を買い、今来た道を戻る。 この時間は昼間の喧騒とは打って変わってとても静か




だ。 車もなければ人もいない。 たまに前を野良猫が横切るくらいである。 僕は、夜空




を仰いだり、モノトーンの街並みを眺めながら歩く。 前方の角を曲がればマンションの入




り口だ。 もう少し歩きたい気分を残しつつ、角を曲がる。




もうすこし、生きてみようじゃないか・・・




 心底ドキリとした。 あ・・・っ、アカン!と思った。 角を曲がった瞬間、ボサボサの髪を




した女性が傘を引きずりながらフラフラと歩いていたのである。 一瞬、霊的なものかな




と思ったが、そうでなくとも只者ではない。 もう少しで入り口である。 僕は、歩度を緩め




女との距離を取ろうとした。 だが、その時、気配を感じたのか、女がこちらを振り向いた。




もうすこし、生きてみようじゃないか・・・




 今度は女性が心底ドキリとしたご様子。 まあ、振り向くと真後ろに、キャップを目深に




かぶった身長179センチの男が立っていたら驚くだろう。 




 お互いにドキリとしたわけだが、女性と僕、ドキリ具合はどちらが大きかっただろうか。




 恐らく女性は僕のことを強盗か痴漢、一瞬でもどちらかと思ったかもしれない。 僕は




女性のことを幽霊、または妖怪の類だと一瞬思った。 このドキリ勝負、勝ってないにし




ても負けてはないと思う。 




 女性は、しばらく僕の顔を怪訝そうに窺った後、普通に歩いて行った。 僕は、夜中で




人がいないからって自由すぎるぞ!取りあえず傘は引きずって歩くな!恐いからぁぁ!




と、心の中で叫んでマンション入り口へ入った。




 夜中は面白い。






                                                   亀久






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      でツンツンはしてますが(笑) 中宮さん、お久しぶりです!なかなか癒さ


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