絵師 | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・

 昔、大阪は新世界にて似顔絵を描いてもらったことがある。 見るからに怪しいオヤジに




だ。 一応 折りたたみの椅子に腰をかけ、それっぽく偉そうにしているが、見本となるよう




な作品を飾っているわけでもなく、いつも酒を飲んでおり どうも思いつきで似顔絵師になっ




たようにしか見えない。 では なぜそんなオヤジに似顔絵を描いてもらおうと思ったかで




あるが、面白そうだったからである。 そして実はこう見えて昔は名のある絵師で、物凄い




技術を持っている先生だったら・・・・。 という思いもあった。




 僕は、料金の500円を支払いオヤジと向かい合って座った。 オヤジは500円を受け取り




おもむろにカバンから画用紙を取り出し僕を一瞥した。 なかなか鋭い眼光である。 ふと




見ると、オヤジの手にクレヨンが握られていた。 しかも金色である。 次の瞬間、オヤジ




は持っていた金色のクレヨンを画用紙に叩き付けるように カッカカッカ と走らせ始めた。




 恐らく僕の顔を描き始めたと思われる。




もうすこし、生きてみようじゃないか・・・




 僕は芸術はわからない。 わからないが、これはどう見ても 「僕のお父さん」 や 「お父さ




んありがとう」 というタイトルがつきそうな絵である。 僕は画用紙に描かれた金色顔面を見




つつオヤジの顔を盗み見た。 なんと、 どんなもんだ という 「どや顔」 であった。 




 おい、オヤジ! 早くお釣り480円よこせ! と思ったが、もちろんそんなことは言えず、僕




はその画用紙を受け取った。




 しかし、考えると いくら酔っ払いで自称似顔絵師でも実際 僕はあのオヤジに金を払い似




顔絵を描いてもらっているので あのオヤジはプロであろう。 そして、あれから十数年。 オ




ヤジを面白がっていた僕は今、何だかあのオヤジに似たような感じになっているような気が




する。 あのオヤジが今 どこで何をやっているのかは判らないが、ひょっとすると今でもど




こかで画用紙に金色のクレヨンで カッカカッカ とやっているかもしれない。 




 僕もこの先どうなるか判らない。 なれるだろうか自称似顔絵師。 近所の文房具店に金




色のクレヨンは売っていただろうか・・・。






                                                     亀久






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        yokoさん、あら!一ヶ月!!し、失礼しました!勉強になりました!!


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        今日も100均ショップに行きました。 そして買いましたですよ!掛け軸!


        今はトイレに飾っております! 今日は、肉をフライパンで炒めるだけの


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