先日、昼間に近所のスーパーから帰ってくると、マンションの前で自転車を止め、しゃがみ
込んで何かをやっている小学校低学年であろう少年がいた。 何をしているのだろうと、覗き
込むと、自転車のチェーンが外れていてそれを必死で直しているところであった。 カゴを見
ると、おつかいを頼まれたのか、スーパーのレジ袋が入っていた。 こういう場合、見てしま
ったオジサンの立場としてはどうすればいいのだろうか。 少年が自力でチェーンを直すこ
とができれば夏休みのいい思い出になるだろう。 しかし、僕がここでかっこよく直してあげた
ら、ひょっとすると少年の夏休みの絵日記にかっこいいオジサンとして登場できるかもしれな
い。 どしたん? チェーン外れたんか? 僕は声をかけた。 手を止め振り向いた少年は、こ
の暑い中、どのくらいの時間チェーンと格闘していたのか、汗はびっしょりで手はチェーンの
油で真っ黒であった。 よっしゃ!オッチャンがやったろ! 僕は少年の横に座った。
ここをこうやって・・・・こうして・・・ちょっとペダルを逆に回してみ? 少年は頷きペダルを回し
た。 すると、チェーンがカシャンとはまった。 少年は嬉しそうに何度もペダルを回しながら
僕の顔を見上げ何か言いたそうにモジモジしている。 そして油で汚れた僕の手を見ていた。
僕は、じゃねーバイバーイ と言ってマンションに入った。 部屋に帰り手を洗いながら僕は、
うまく直せてよかったー! と、心の底から思った。 あそこで直せなかったら、かっこ悪い使
えないオッサンとして少年の絵日記に登場するかもしれないからだ。
少年からは、夏休みのいい匂いがした。
亀久
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チェーンの修理なんて何年ぶりだろうか。