教習所の鳥 | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・

 僕が、自動車教習所に通っていたときの話。 




 その頃、僕はまだ路上教習ではなく、教習所内のコースを走っている段階であった。




 そんなある日、いつものように教官と教習車に乗り込みコースを走っていると、突然




目の前に、サギのような鳥が舞い降りた。 大きさは白サギほどであろうか。 僕は驚




きブレーキを踏んだ。 しかし、鳥はコースのど真ん中に突っ立ったままボーッとして




いる。




もうすこし、生きてみようじゃないか・・・




 さて、どうしたものか、と考えていると、助手席に座っている教官が、いいよ、そのまま




行って と言った。 えぇ!?と思い、教官の顔を見るも教官は再び、いいよ、行って と




言った。 僕は、仕方なく車をゆっくりと動かした。 しかし、鳥は微動だにしない。 そし




て、そろそろヤバイのではないか、と思ったその時、鳥は、軽やかなステップで車をヒラ




リと避けた。 その動作は、何だかとても慣れているような感じであった。 僕は、ホッと




して運転に集中した。 鳥は、今度は別の教習車の前でボーッとしている。 その様子を




見ていた教官が、空に目を移し、雨か・・・・・ と言った。 え?雨? 僕も空を見上げた。




 その日は、薄曇ではあったが、雨が降る気配などない。 僕が不思議がっていると、教




官は、あの鳥が来ると、雨が降るんだよ と言った。 にわかには信じられなかった。




 その日の教習は、今受けた教習所内のコースを走る1時間のみだったので、教習を終え




た僕は、早々に帰り支度を済ませ、自動販売機で買ったコーヒーを飲んでいた。 すると、




なんと本当にポツリ、ポツリと雨が降ってきたのである。




もうすこし、生きてみようじゃないか・・・
 



 何なのだろうか、あの鳥は・・・・。 雨が降るとわかると、教習所へ行き、ドライバーのタマ




ゴたちをからかう鳥・・・・。 不思議な鳥もいたものである。




 以降、何度かこの鳥を目撃したが、その度に雨は降った。





                                                      亀久





         ブログランキングに参加しております。


          ↓押して欲しいのココロ・・・・・。

   
          もうすこし、生きてみようじゃないか・・・



    『むっ!雨が降る感じがする!よし!教習所へ行こう!!』