を挙げてみる。 自転車[中古6.800円也]で100均ショップへ行く途中、大きなアゲハ
蝶が僕の顔面に向かって突進してきた。アセった僕は、かわそうとしたが、蝶はそのまま
僕の鼻先を、しばらくフワフワと飛んだ後、どこかへ飛んでいった。その時、かすかに花の
いい香りがした。

別の日。駅構内で僕は、早歩きをしていた。早歩きをするのには、2つの理由があった。
1つは、人目が気になって走れなかったこと、もう1つは、トンボに追われていたからであ
る。しかし、早歩きと、トンボのスピードは明らかに違う。すぐに追いつかれトンボは、僕の
胸にまるでブローチのように止まった。 しばらくの沈黙の後、恐る恐る人差し指を向ける
と指先にチョコンと乗ったので、上空に軽く放ってやった。トンボは飛んで行き、あっという
まに見えなくなった。

初夏。 その日は、気分が良かったので山へ散策にでかけた。石段を登っていると、手の
甲に何かが触れたような感じがしたので、ふと、見るとカマキリが止まっていて、こちらを見
ながら、ユラユラと体を動かしている。(蟷螂拳!) と、一瞬怯んだが、よく見ると赤ちゃん
カマキリだったので、しばらく観察することにした。チビッ子カマキリは、緑色の美しい体を
一生懸命動かし、僕の手の甲の上を行ったり来たりしていた。

まだ、話はあるが、このような虫との接触はまだマシで、いや、マシと言うよりもむしろ
(いいなぁ~) とおもうのだが・・・・。
ハチである。特にスズメバチ、あれはいけない。羽音を聞いただけで戦慄を覚える。僕は
スズメバチというのは、いつもプンスカ怒っているというイメージがある。と、ここまで書いて
昔にあったビデオゲームのタイトルを思い出した。『怒首領蜂』【どどんぱち】たしか、シュー
ティングゲームだったと思うが・・・僕がスズメバチにもっているイメージにピッタリだ。
話が逸れました。その怒首領蜂、いや、スズメバチにも追いかけられたことがある。しか
も街中で、一匹のスズメバチにだ。その時は、もう、人目など気にせずダッシュで逃げた。
(何で俺なんだ!チキショー!!) と心の中で叫びながら。 今考えるとスズメバチから逃
げる時の恐怖感は、子供の頃、野良犬に追いかけ回された時の恐怖感に、似ている。
亀久