泣きっ面に飛び蹴り | もうすこし、生きてみようじゃないか・・・
  手品を披露する時は、気を付けなければいけない。 



先日、友人のE君が遊びに来た。 僕は日頃練習していた手品を見せびらかそうと思い



彼が家に着くまでの間、準備をし、そしてE君に披露した。



 しかし彼は、この手品のタネを知っていたのである。 演技の始めの方でそのことを言



ってくれていれば 「なーんだ、そうか、知ってたのかー」 と、僕のダメージも最小限に



抑えられたのだが、ヤツは僕の熱演をジッと見ていて最後の 「ほーれ、どうだ、驚け!」



のキメの部分で 「それ、知ってる」 と、言いやがったのである。





一瞬、ほんの一瞬、目突きでも食らわしてやろうかと思った。 しかし悪夢はそれだけでは



終わらなかった。その後、E君は 「コレ知ってる?」 と、言いながら僕の知らない手品を



華麗にキメたのであった。



 以来、僕は彼が驚いて失神する程すごい手品はないか模索中である。 空中にでも浮け



れば一番いいのだが・・・・。





                                                   亀久





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