かめ新聞 -130ページ目

リフォーム

わがマンションの2階ワンルームが空いて、リフォーム工事が始まりました。
誰か仲間が引っ越して来たら近所付き合いができますね。
都心に部屋を探している方、いかがですか?

家賃は7万くらいか。たぶん30m2くらいで、2面採光でベランダ付き。玄関入ってまず風呂、右に進むと真ん中に台所、その左右に二つの居室というユニークなプラン。タイル張りのやたら大きな風呂が自慢だったけど、今日見たらユニットバスが入っていました。

以前階段でオーナーと会い、これからリフォームするんだと話を聞きました。あんまり予算がないとのことだったので、設計しましょうかとも言えずでしたが。
そういえば向かいに建った5棟の建売住宅も未だ3棟は売れず、売り手も苦労している様子。これも元あった豪邸を解体するところから見ていますが、こんなに近所で建築工事がいろいろあるのに、窓から毎日眺めるだけで、何もする事が出来ないと言うのも残念な話だなぁ、と、そんな事を考えながら、また今週も遠く山梨のそれぞれの現場に通います・・・・・

甲府/桜座6月

6月25日、桜座柿おとしを迎えました。洗い流した砂利敷きの上、古在の木を磨き椅子として並べる等の準備が行われました。チンドン屋が街を練り歩き、立ち見満員御礼の中、武田朋子さんの能管・篠笛、藤井弘樹氏指揮のコーラス、ジンタらムータのチンドン、田中泯氏の舞踏、中沢新一氏の講演や地元の方の昔の桜座話等、様々なジャンルで刺激的でした。

ほとんどがマイクを通さず生音のままで、お客さんも耳を大きく開いて集中しながら演じ手と客の間にも緊張感のある空間です。これぞ芝居小屋!
 

甲府/桜座5月

 

大まかな骨格と電気設備等の工事が終わると、飲食店部の自力工事が始まりました。カウンターにブロックを積み、材木を発注し、墨付け、刻んでゆきます。作業には元型枠大工の橋本氏とここの店長になる小沢氏が主力となり甲府の人々の手も借りながらコツコツと造ってゆきました。

店としても、初めから全てを設定して作り込んでいくのではなく、使いながら、(劇場の試行錯誤の変化の様に)変化・増殖・解体・成長していくような方針です。

甲府/桜座4月

 

甲府の商店街の外れに建っているガラス倉庫だったこの建物は、クラブやスーパーなど様々に中身を変えつつ、そしてまた骨と皮だけになった姿で存在していました。

今日の劇場では、多様な使い勝手を売りとしながら、実は床には釘一本打てないような、立派で自由のない建築がほとんどです。この廃墟のような空間の自由さを武器として、このまま、又、試行錯誤し、そして少しずつ造りながら(又は壊しながら)、発信の場として使っていこうという桜座のプロジェクトです。

導入部に飲食店〈キャラバン・サライ〉が入り、6月25日の柿落としに向けて、最小限ではありますが、給排水、厨房、衛生等の整備をしていきました。

十勝の熱い夜

 

6月19日。帯広から車で30分。ひたすら畑をまっしぐらに走った田舎の万年公民館にたくさんの人がやってきました。公民館は森の中のようになり、爽やかな十勝も、ジャズと酒と皆熱くなりました。

「今夜こうして皆が集まってくれたのも、うまい酒が飲めるのも、楽しくジャズが聞けるのも、全てオレのおかげ。」と、動かない指に重力をかけながらもとても熱い音を聞かせてくれました。

帯広のジャズシーンに大きな影響を与えてきたあさやんは、前々から皆からCDづくりをせがまれていたのですが、本人はそういうの大嫌いで、今までの音はほとんど残されていませんでした。メディアに出て有名になっていくジャズマン達と違う、ジャズの生き方をしてきたあさやんを、今回は強引に説得し、廻りが勝手に動き、録音ライブまでこぎつけたようです。

12月に発売するCD(限定発売)制作にもかかわっていきたいと思います。かめ設計室でも予約受付ますので是非お早めに。

あさやん

 

十勝であさやんに会って来ました。
万年公民館でのジャズコンサートもありました。
秋にもう一度ライブをやって、それと一緒にしてCDを作るそうです。
クリスマスにはCD発売に伴うコンサートも予定しています。
ジャズや音楽の事はほとんどわからないけど、
あさやんとその仲間たちの間にある演奏中の呼吸(息)は、
集団で設計する事を学んだ僕たちの、それはもうあこがれですね。

素敵なあさやんの言葉です。

「音楽が好きだ、ジャズが好きだ、ラッパが好きだ、っていうのと、
 うまいもんが好き、酒が好き、女が好き、っていうのと、ちょっと違って、
 音楽とかラッパとかジャズっていうのは、大事なんだよね。
 もうちょっと大事なんだよ。」
 

ひかり保育所

 

象設計集団在籍時(2001年)に担当していたひかり保育所です。十勝に行くと必ず訪れる大切な場所です。自力建設、ワークショップ、直営工事、古材使用といろいろな試みをしましたが、何より施主である渡来さんが、未だにこつこつ建物に手を入れ続けている事が、この場所の魅力です。今回訪れた日も、足場を組み上げて塔から飛び出した見晴し台を作っていました。あれから4年がたとうかというのにまだ足場がかかっています。

この建物は渡来さんの保育精神が立ち上がったものだと感じます。しかし渡来さんは「ひかり保育所には、保育理念や保育目標はない」と言います。その訳は「私達が子供と接してきた中で、何が一番子供にとって良いことなのか、良い保育なのか、常に考えているものの、今だ結論に達せず、今後とも結論は出ないと思っているから」だと。だから、建物も未だに作り続けられているのかもしれません。

詳しくはひかり保育所ホームページをご覧ください。(ブックマーク参照)

建物を訪れた人は皆、驚きと感動を受けていくのだとうれしそうに話してくれます。感動を与えられる場所づくりは、かめ設計室の何よりの目標です。「ここの保育所を巣立った子どもたちが、どんな人間になっていくのかが、一番の楽しみです」と良枝先生はおっしゃっていました。同じ気持ちです。
 

十勝/いつもの風景

事務所は廃校になった小学校を借りています。若者達は同じ敷地に建つ元教員住宅の宿舎からグランドをてくてく歩いて事務所に通います。
東京の人混みや、高層ビルや、地下鉄や、こまこました住宅地で暮らしていて、一年ぶりにこの地に立つのに、なぜかいつもの風景です。おおきい・ちいさい・ひくい・たかい・ひろい・せまい・とおくてちかい・ちかくてとおい、、、みんな逆転します。

十勝/広い空・広い心

松山千春の歌ではありませんが、十勝特集をしばらく書こうと思います。10年程を過ごしていた場所には、「帰る」という感覚に近いものがあります。「帰る」ところがあるというのはとてもありがたい事だと、つくづく感じます。

大好きな人たちと会ってきました。標茶から会いに来てくれた大島君夫婦。樋口さん。あさやん。ママ。レイ子さん。ひかり保育所の渡来さん。棟梁。とおるさん。たけみ。みのるさん。まっちゃん。のぶさん。みつるさん。きみちゃん。・・・十勝の人は感情をストレートにあらわしてくれるのでとてもさわやかです。出会った時も、別れる時も、手を握り、抱き合います。こっちは泣きそうになるのに、笑顔です。

写真のような場所と、東京とでは、人びとの作法もテンションもやっぱり違うんだろうな。
 

空間に恋して


象設計集団の本『空間に恋して』を、かめ設計室でも販売しております。私たちが関わったここ10年の十勝での活動もこれに詳しいです。知人でまだ持っていない人は、酒持参で買いに来てください。おいしい料理でお迎えします。どうぞ、かめ共々象も今後ともよろしくお願いします。
というのも今週末、久しぶりに里帰りのごとく、十勝へ行って参ります!