ニッポンイチの風景/続中野編 | かめ新聞

ニッポンイチの風景/続中野編


 新宿から電車で30分程郊外に出た小平という町で暮らしたことがある。可住地100%の真っ平らな土地すべてに、ごく平凡な2階建て戸建て住宅が隙間無く並ぶスーパーフラットな町だった。新宿から西に30分圏内はどこも似たような風景が広がっている。

 JR中央線を新宿から西に向かう車窓景観には、人口密度と風景の関係がとてもわかりやすい。日本一利用客が多い新宿を出発し、中野区で日本一の2万人/km2だったのが、杉並区に入ると1.5万人、三鷹市から国分寺市までは1万人、立川市で7千人、八王子市まで離れると3千人に減り、ずっと山の緑を見ながら電車に揺られ、甲府に着く頃には千人/km2、ということになる。地方大都市でさえこの数字だから、とにかく東京の密度は尋常ではない。ちなみに全国平均は340人/km2にすぎない。風景の見方の参考に。