フェラーリ産GT??
時代と共に棲み分けも変遷し、フェラーリにもスポーティGTとでも言うべき立派なグランドツアラー、いやグランツーリスモが出現します。
元祖とも言えるのが、365GT4 2+2でしょう。
先代の365はリアシートが人が座れないほど狭くスポーツカーらしさを残した格好でしたが、このモデルからはフェラーリも明確にグランツーリスモと称しています。
みなさん知っての通り、フェラーリの名前は1シリンダーあたりの排気量に由来します。
V12×365=4380ccの排気量で、フェラーリのGTはV12を搭載するロングノーズクーペというのが定式化されました。
その後、400→412→456→475と排気量が拡大されていきます。
475ccが612スカリエッティです。
何故475としなかったのかは不明ですが、475×12=5700cc≒6L、V12の6Lということで612という名前です。
ある種、フェラーリの正統派GTとしては最後を飾るという気持ちがあったのかもしれませんね。
縁の深いセルジオ・スカリエッティ由来のサブネームを携えての登場ですし、相当の思い入れあっての車かと思われます。
事実、実質的な後継のFF(フォー)は違和感のあるハッチバックエクステリアを持ち、路線に変更が見られます。
612スカリエッティは、ある意味、フェラーリ最後のグランドツアラーと言えます。
官能的なエクステリア
612スカリエッティのエクステリアは、贔屓目に見ても普通じゃありません。
顔は間延びしたポルシェのような不思議な出たちで、個人的にはヘビトンボという昆虫に似ています。
水が綺麗なところに生息する可愛らしい虫です(^^)…苦手な人はすいません笑
ともかく!
どこか、昆虫的な意匠のあるデザイン重視の不思議なフェラーリです。
FRを押し出して、フロントタイヤはかなり前の方にあります。後部座席にも配慮のあるキャビン形状で、GTとしての姿勢が強く感じられます。
まとまりのない間延びしたような印象さえも受けてしまうエクステリアですが、見慣れてくると不思議と他のフェラーリよりも愛らしく思えます
実物をガソリンスタンドで見たことがあるのですが、めちゃくちゃカッコいい…
というよりは、すごく可愛かったです❤️
まとめ〜中古車市場〜
正統派V12エンジンを搭載する612スカリエッティは、荒々しくも気持ちの良いサウンドを奏でます。
例えるなら、チャイコフスキーのような時代ではなく、バッハ的なクラシック。
まとまりがあって、美しいサウンドです‼️
しかしなんと!!
中古車は不人気です💦
その他のフェラーリと比べると、かなり落ち着いた価格で、一般的な高級輸入車と同じランクに落ち着いています。
1000万を切っている個体が殆どで、まぁ私なんぞには手が届きませんが、V12搭載を考えるとかなり落ち着いた価格と言えるでしょう‼️
愛されない612スカリエッティで始めるフェラーリライフも案外粋かもしれません…