フーガの総評『日産のわかりやすいフラグシップ』
日産フーガの細かい走行性能は後述するとして、まずは総評を言っていきます。
一言で表すと、日産の分かりやすくデザインされたフラグシップセダンです。
日産は、上級車種を下級車種に統合してしまう悪い流れがあり、プレジデントが廃止されたことでシーマにその地位が受け継がれ、かつてのシーマの立ち位置をフーガが担っています。
内装で分かりやすく高級感を演出しているのがポイントで、木目調インパネ、アナログ時計、助手席のオットマンや電動パワーシートなど、『高級車』と一目でわかるデザインを採用しています。
エクステリアも先代よりかなり大型化しており、ジャガーXJに匹敵するサイズ感です。
走行性能よりも、やはりまずは見た目に目がいくもので、当時としてはとにかく豪華だと思いました
フーガの走行性能
【エンジン:★★★★☆】
V型6気筒2.5L DOHC
海外版インフィニティQ70には、V8 5.6L仕様があり、詰め替え可能なため、エンジンルームは結構余裕がありました↑
レッドゾーンは7500〜になっていますが、そこの直前までしっかりと回る良いエンジンですが、高回転になると少し回りにくくなっていきます。V6の宿命ですね💦
それを踏まえると、直6と間違うほどのVRエンジンの凄いこと〜





【燃費:★★★☆☆】
街乗り6〜8km/L、高速9〜12km/L
加速しきって惰性走行に切り替えると、ガソリン射出が止まるのか途端に燃費が良くなります。
しかし、ターボがないので急加速でかなり踏み込まなければならず、7500まで回そうものなら瞬間燃費は3台になります。
このクラスのNAとしては標準的だと思います。
【ハンドリング:★★★★★】
さすが、日産のFR!コーナーにすこぶる強い!
テスラに乗った後だったのもあり、FRの良さを再確認しました。車のどこに荷重があり、ハンドルを切るとどう動くか、滑る限界など色々手に取るように分かる典型的なFRセダンです

【快適性:★★★★★】
良いですね〜、、これはセダンとしてクラウンと張り合ってきたセドグロの血脈を感じました。
さらに言えば、Q70の車格はレクサスLSの対抗ですので、快適性に関してはまぁ随分と重いものを背負わされたんだなと思います。
時に、プレジデント→シーマ、シーマ→フーガは良くなかったですよね



どういうことかと言うと、シーマやフーガは名前こそ一緒ながら車格を明らかに持ち上げられてしまった。法人向けフラグシップはプレジデントとの仕事であったはずが、いつのまにかシーマに。個人向けヤンチャなフラグシップはシーマであったはずが、いつのまにかフーガに…
顧客が戸惑うのも無理はないです。
例えば、セドリックシーマに乗っていたオーナーがF50まで乗り継いで、次に進められる車がフーガだったら、本来同じような車への乗り換えなはずが、まるでセドグロにクラスダウンしたよう。かといって、次のシーマは大きすぎる

となると、顧客はトヨタに流れていくわけです。
どうして、F50シーマが中止になった時、潔く辞めなかったのか…、、、
そしたらフーガが堂々とフラグシップを飾れただろうし、後で出すならLWBはプレジデントの名前で良かっただろうに。
フーガが売れる車になるには何が足りないのか?
豪華さをもっともっと分かりやすく、なおかつアップデートしていく必要があったのではないでしょうか?
逆に言えば、次期型を作っても演出さえしっかりすれば採算が取れる車だと思います。
分かりやすく発展させるには、『英国車を真似る』のが良いと思いました‼️
トヨタが、内装や機能をBMWやベンツから学んでいるように、日産はジャガーやアストンマーティンに学び、内装の豪華さを演出したらどうなのかと思いました。
既にカラーとしてはドイツよりイギリス寄りな日産車ですから、ありだと思います

既に近づいている点として、
*アナログ時計:改善の余地があるとすれば、SEIKOなどとのタイアップ
*電動式ハンドル移動:英国車には必ず装備されている。おそらくそのオマージュで、インフィニティには装備されている。
*木目調インパネ:採算が取れる範囲で突き詰めるならば、本木目を採用するとより英国感が増す。
これらの点などがありますが、いずれも改善の余地があります。
加えて、もう少し手を加えるべき部分としては、
*革の質感アップ:合成樹脂が使用されているハンドルなどの紫外線劣化が目立ちました。ソファ作りのごとき高級感を出してもいいかも?
*GTとしての余裕さ:2.5Lは日本でスポーツカーめいた走りをするには十分ですが、高速を200km/h近い速さで走るには不十分です。V12とは言いませんが、V8搭載あるいはモーター駆動があったらGTとしての良さを発揮できると思います。(尤も、海外にはV8 5.6L仕様、日本にはハイブリッドが用意されていた)
*エクステリアデザイン:セドグロの血脈を感じます。そこはもう少し英国に寄せてもいいかな?と思いました。例えば、初代ZはジャガーEタイプに似ているように、オマージュとしてロングノーズ演出があったら、もっとカッコいいと思います。フーガのデザインは上品さよりも、丸みを帯びていて若干の『エロさ』があり、グリルの形や車体形状などはもう少し落ち着いていてもいいのではないかと思いました。
まだまだ、フーガを『古き良き日産車』なんて言わせたくありません‼️
進化の余地を残しているフーガはしっかり手入れすればレクサスLSと並び立てるほどの人気車になるはずなのです‼️
EV化の波を利用して、ぜひとも這い上がって欲しいと思います




