パリは泥棒の街だ。
安全な国、日本に住んでいると「あたりまえ」の事が、一歩外に出るとあたりまえではなくなる。
20年も泥棒の国に住んで、ひったくり、置きびき、泥棒にあった経験が片手では足りない。
盗難にあった直後は気が張っているのだが、時間が経つと、気も緩む。
そこにつけ込む泥棒がいる。
安全と思っていたうちのマンションで盗難に遭った。
狭い家に住んでいると、地下倉庫(cave)にいろいろストックして置けるので便利。
土曜日の夜に友達を多く呼んで立食誕生日会をしたので、使わないタオルを入れたスーツケースを地下倉庫に16時ごろにおろした。
部屋にあったダンボールや他の使わないものも下に置いておいたので、倉庫の扉は開け放しにしたままで。
が、建物の中には、入口でコードを押さないと入れないし、一階に入っているカフェは土曜日は休業日なので、地下倉庫に日常的に降りる従業員も、この日はいない。
19時に、パーティにだすシャンパンを冷蔵庫に入れなきゃ、と地下に取りに行ったら、、、、
倉庫のドアの開き方が違う、、???と中を覗くと、さっき置いたばかりの黒いスーツケースがない。スノボを入れているスノボケースが開かれている、ワインセラーにかけたホコリ防止のカバーが捲られている。
やられた!
フランス生活は、油断も隙もあったもんじゃない。
一歩外に出たら、だけでなく、自分の住んでいる建物内でもこんな盗難が起こる。
16時から19時の間、つまり日中に、泥棒は入口コードのある建物に侵入して、地下に降りて、秒速で物色して、運びやすいスーツケース(中身は使っていないタオルだけど)を盗んで、堂々と街中を歩いて立ち去ったわけだ。
被害額は少額(スーツケースとタオル)だが、気を抜いた生活ができないのが悲しい。
人のものを盗まないと生きていけないような、貧困生活を送っているわけでなし、フランスの国でなぜ人のものを盗もうとするのか。
気をつけていない方が悪い、と言われるけど、家の玄関は鍵をかけず、門はかちゃっと開けるだけ、そんな東京の郊外住宅地で育った私には、泥棒が巡回しているようなフランスの社会が問題あると声を大にして言いたい。
盗まれるのは、嫌だけど。