翻訳仕事の改革 | パリ・グルメ&遊びプログ Life in France & Paris Gourmet

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ライター&コーディネーターKamatoshiがおススメするパリ生活

在仏20年越えの経験を生かして、フランス語や英語の文章を日本語に翻訳する仕事をする。

たまにする。

翻訳の仕事は好きではない。時間と手間がかかり過ぎるのだ。

 

翻訳の仕事ばかりをしていれば、頭脳が翻訳に慣れて(どの単語をどういうふうに訳せばいいかがインプットされる)機械的に迅速に作業が進められるのだが、断片的に翻訳作業をすると、時間がかかって仕方ない。

 

同じマンションの違う階に、いくつか部屋を持っているようなものだ。

基本的には1階の部屋に住んでいるのだが、同じような間取りの2階にも部屋があり、1階と2階を行ったり来たりしている。

間取りが似ているから、生活のルーティンや、部屋にあるものも似ているが、微妙に違う。2階の部屋の台所には、鍋が少なかったり、食器が少なかったりする。ので、あるもので何とかしなくてはいけない。

 

翻訳作業は、1階の部屋と2階の部屋を、ほぼ同じ状態にして、全く同じ行動をできるようにすることだ。例えば、夕飯後に、お風呂を沸かし、服を脱ぎ、お風呂に入り、体と髪を洗い、お風呂から上がって、パジャマに着替えて、髪を乾かし、洗面所を出る。

この同じ行動を、2階の部屋で同じ順序でやる。

 

久しぶりに2階の部屋に行くと、どこにタオルがあるか、シャンプーが買っていないかった、ドライヤーってどこだったっけ?といちいち思い出さないといけない。リンスがなければ、置いてある場所を探さないといけない。

 

と、こんな感じで、なんとも効率が悪く、無駄が多く、スムーズに行動できないのだ。

 

1階と2階にある物を同じ場所に配置しておくと、手間が省けるのがだ、頻繁に二つの部屋を行き来していないと、同じような配置にならない。

 

海外に長い期間住んでいれば、言語ができるようになると思われがちだが、通訳翻訳作業の技量は、語学の習得レベルとは、また違う。2つの違う世界にあるものを、素早くペアリングする作業は、語彙量を増やす能力とは違う。

 

在仏が長かったり、日仏の両親をもつハーフの人など、日本語も完璧、フランス語も母国語、という人でも翻訳がきちんとできるか、というのは別次元。

 

翻訳して、自然な文章にするのは、とても難しい。

だから翻訳者は、外国語を母国語にのみ翻訳する。私は日本語が母国語なので、フランス語や英語を日本語に訳す。

反対方向、日本語をフランス語や英語に訳すと、自然な文章にはできない。

 

反対方向の翻訳仕事を頼まれた場合は、ネイティブの人との共同作業になる。

私が書いたフランス語や英語の文章は、自然な文体でないし、間違いも多い。

ネイティブの人と文章をみつつ、内容を説明して、改訂文を作っていく。

 

時間もかかり、費用もかかる。

 

ここに、救世主のごとく現れたのが、Chat GPTだ。

翻訳もあっという間にしてくれるし、自然な文章にもしてくれる。

 

コピペしたものをそのまま使えるほどの性能はないが、文法やタイプミスなどは、あっという間に見てくれる。

フランス語は、男性名詞、女性名詞に単語を合致させないと文法があり、瞬時に指摘してくれる。

 

Chat GPTの翻訳文章には間違いがあったり、意味不明だったりするが、チェックを一瞬でしてくれるのは、ものすごい効率化アップだ。

 

AI機能、AIアプリのおかげで、翻訳も通訳も、これから仕事量は劇的に減少していきますね。

そして、料金もグッと下がっていくのでしょう。