時価よりも高い路線価とは
相続税路線価はおおむねの相場観を反映していますが、
とんでもなく相場(時価)よりも高い場合があります。
「建築基準法上の道路」ではない道路に
路線価が付されている場合がそれです。
土地の価値というのは、建築基準法上の道路に接していなければ、
周辺相場よりも相当に低くなります。
(都市計画区域内と準都市計画区域内の話ですが)
なぜなら、建築基準法上の道路に接していない土地には
原則、建物が建てられないからです。
建物が建てられない土地は資材置き場や駐車場、畑などにしか使えません。
こんな土地は建物が建てられる土地よりも利用価値が低いので
安くなってしまいます。
ですから、建築基準法上の道路が100とすれば
そうではない道路は30程度でないと、時価相場を反映しているとはいえません。
でも現実には、建築基準法上の道路でない道路にも100と
路線価が付いている場合があるので、土地評価にあたっては注意が必要です。
きちんと役所で調べずに、知らないうちに高い評価額を出している税理士先生が
非常に多く見受けられます。
路線価が付いているからといって、そのまま使っていると、
とんでもなく高い評価額になっているかもしれません。
税理士先生、気をつけましょう。
税務署から区画割り想定図の提出を求められた時の対処方法
広大地に該当するという根拠を何も示さずに、広大地評価にて申告するときは注意が必要です。
明らかに誰が見ても
「ああ、これは広大地だね」
という土地なら何の根拠の示さずに申告してもよいでしょうが、
「500㎡の角地」
「駅徒歩3分の容積率200%の1,500㎡の土地」
など、明らかに広大地とはいえないような微妙な土地で、広大地評価するときは
細心の注意が必要です。
広大地に該当するという根拠資料を添付していないと、税務署は否認前提で調査に入ります。
そして例えば、区画割り想定図を添付せずに申告した場合で、
「区画割り想定図を出してください」と言われたときは、
「じゃあ図面だけ出せばいいのね」と、図面だけを出すのは大間違いです!
区画割りの図面を出せと言ってきているということは、裏を返せば
「路地状敷地で分割できるでしょ」
「つぶれ地は生じないでしょ」
と言ってきているということです。
ですから、この場合の対処は、
図面を出すのはもちろんのこと、標準画地面積を○○㎡のと判断した根拠や、
周辺地域の分譲事例、開発事例、つぶれ地が生じるという事例、
位置指定道路を造っての分譲事例など、
ありとあらゆる客観的資料をこれでもか、というくらい添付した「意見書」を出すべきです。
そうしないと、中途半端な対応をその都度繰り返していては、後手後手になってしまい、
税務署に付け入るすきをますます与え、最終的には完全否認で終わってしまいます。
担当官の調査時の質問の意図を読み、適切に対処することが重要です。
現地で見落としやすい高圧送電線に注意!
高圧送電線の鉄塔は住宅街では通常20m位の上空を通っています。
6~7階建てビルの屋上くらいのところです。
これは現地ではなかなか気付かないものです。
地役権(物権)として登記されていれば、乙区に記載され、
公図上にも表現されていますが、所有者と電力会社の当事者だけで交わされる債権契約であれば、資料上には表れません。
物権、債権どちらであっても下の土地には建築制限等がありますから、減価要因となります。
しっかりと上空を見渡すことで調査漏れを防ぐことができます。
土地評価SOSホームページ開設しました
「税理士のための土地評価SOS」ホームページ( http://tochi-sos.jp/ )を開設しました。
私が運営する専門情報型サイトの第2弾です。(第1弾は「広大地判定SOS」です)
このホームページでは、土地評価実例もとに、税務上の土地評価の知識や留意点を紹介しています。
書店で販売されている書籍・参考書には載っていない、実務家としての視点で実例に基づいて書いていますので、参考になるのではないかと思います。
相続税大増税時代に向けて、更正の請求屋に付け入る隙を与えず、かつ相続人にとって有利になる評価技術を税理士先生方や相続人の方に身に付けて頂ければこれに優る喜びはありません。
ホームページからも個別案件での質問を随時受け付けていますのでお気軽にご活用下さい。
現地調査で意識すべき5つのこと
・対象地だけでなく、その周辺、上空なども見回す
→上空の高圧送電線や近くの墓地など減価要因を見落とさないようにするためです。
・とにかく多くの写真を撮っておく
→もし現地で見逃しても後から写真で確認できます。対象地だけでなく隣や向かいなども撮っておくとよいです。
・道路の幅員は必ず測る
→複数車線ある道路であれば測る必要はありませんが、
「狭い」「未舗装」「行き止まり」などの道は必ず測っておく必要があります。
42条2項道路であればセットバックによる減価があるかもしれませんし、建築基準法上の道路でない場合は無道路地の可能性もあります。
場合によっては評価対象地が実際に道路に接している距離も測っておく必要があります。2m以上接していればの問題ないのですが、2m未満の場合は無道路地となる可能性があるからです。
・持参した資料と現地の状況を照合する。
→指差し確認のように「ここが地番***、地積***㎡、道路に接しているのはこの部分で路線価はいくら、公図ではこの地形だが現実はこの地形、住宅地図ではこの地形で表記」というように一つずつ資料と照らし合わせながら確認していくと漏れがありません。
・評価単位と地目を意識し、現況(相続時点)の利用状況を確認する。
→自宅の裏にあるのは庭なのか、畑なのか、山林なのか。固定資産税の課税地目、登記簿の地目と比較しながら、現実の利用状況、地目は何になるかを確認。また建物が複数ある場合は各建物の敷地はどこからどこまでか、通路等どこを使って出入りしているか等も確認しておきましょう。