広川純『一応の推定』 | かまBROTHER

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アル中の備忘録

友人が貸してくれた広川純氏の『一応の推定』読了。


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第13回松本清張賞受賞作品。
選考委員(浅田次郎、伊集院静、大沢在昌、宮部みゆき、夢枕獏)の全会一致で選ばれたらしいです。

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轢死した老人は事故死だったのか、それとも愛しい孫娘のために自殺したのか。ベテラン保険調査員・村越の執念の調査行が、二転三転の末にたどり着いた真実とは? 巧みなプロットで描かれたミステリー。
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最初から引き込まれて一気に読み終わりました。


広川氏の作品ははじめて読みました。

筆者が元保険調査員ということで調査方法がリアルに描かれていて興味深く読めました。


タイトルの「一応の推定」とは、

"確たる証拠、例えば遺書などを残さずに自殺した場合、自殺の状況証拠が説明できれば、自殺として裁判官に認定される"という理論だそう。


主人公の真摯に調査に取り組む姿勢や、轢死した老人家族の苦悩が実によく描かれてると思います。

日本における14歳以下の子供の臓器移植問題についても触れています。


終盤で二転三転し、ラストの後味もよく、最後まで引きの強い作品でした。

広川氏の他の作品も読んでみたいなぁ。