高嶋哲夫『トルーマン・レター』 | かまBROTHER

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アル中の備忘録

高嶋哲夫氏『トルーマン・レター』読了。




元ジャーナリストが偶然入手したのは、原爆投下を決意した米国大統領の私信らしき文書。おりしも沖縄では米兵の婦女暴行事件が。大統領の来日も重なり、騒然とする中で政治と向き合う人々の運命を描いた長編。


筆力ある作者は発想力に富んでいて、どの作品読んでも面白いですね。

描写に引き込む力があり、読み応えがありました。


他の作品に比べるとちょっとだけ最後まで緊張感がもてなかった気もしますが、広島・長崎に原爆投下を指示したアメリカ第33代大統領ハリー・トールマンの手紙を巡る事件、沖縄で起きた婦女暴行事件、被爆者問題を盛り込んだ構想はすばらしいと思う。

オススメの作品です。