生活保護バッシングと保護基準の度重なる引き下げ、
東京医科大学の女性受験生差別、
自民党杉田水脈衆議院議員の[LGBTは生産性がない」発言、
中央省庁による障がい者雇用水増し問題、
旧優生保護法による障がい者の強制不妊手術問題など、
わが国の人権状況は、とても日本国憲法が保障する基本的人権が定着している社会とは言えない惨状にある。
安倍政権は、2013年8月から3年かけて生活扶助基準を670億円削減(平均6.5%、最大10%の引き上げ)し、15年からは住宅扶助基準、冬季加算を削減し、今年の10月からは3年かけて生活扶助基準を160億円(最大5%の引き下げ)削減しようとしている。
生活保護問題に取り組む弁護士や司法書士が行なった「緊急ホットライン」には、
「食事を削っている」
「耐久消費財が壊れても買い換えられない」
「居服を買う余裕がなく、昔の服を着続けている」
「交際費を捻出できず、一切外出しない」
など、生活保護利用当事者の悲鳴にも似た切実な声が寄せられた。
いずれも憲法25条が保障する
「健康で文化的な最低限度の生活」
とは程遠いものである。
憲法14条は「法の下の平等」を定め、男女共同参画社会基本法が制定され、安倍政権は「女性が輝く社会」をスローガンに掲げているが、医学部の入試現場では明らかな女性差別が行われている。
また、憲法尊重擁護義務を負っている国会議員による、同性カップルを念頭においた「生産性がない」発言は、子どもが産めるかどうかで人間の価値を評価しようとするものであり、LGBT当事者からだけではなく出産できない障がい者や難病患者からも
「出産できない障がい者や患者の人権をも踏みにじるもの」
との抗議がなされたのは当然のことである。
さらに、障害者差別解消法の制定や障害者権利条約は批准されたのに、障がい者差別をなくす旗振り役としての責任を果たさねばならないはずの中央省庁のほとんどで障がい者雇用が水増しされ、障がい者の人権が踏みにじられている。
このような人権をめぐる状況を考えれば、わが国は世界的に見ても人権後進国の位置にあると言わざるを得ない。
我が国が人権後進国であるのは、わが国の市民社会が自由と人権、民主主義を闘い取る市民社会が自由と人権、民主主義を闘い取る市民革命が行われてこなかったことと深い関係があると思われる。
