不動産業界で言われている2022年問題というものがある。これは「生産緑地」に絡んだ問題だ。
「生産緑地」とは市街化区域内の土地のうち、「生産緑地制度」に沿って、管轄自治体から指定された区域を指す。
191年、市街化区域内の「生産緑地」について、固定資産税及び相続税の課税が「宅地並み」から「農地並み」に引き下げられた。
都市部の農家に対して、その農地が宅地並みの税金が課されていることが問題となり、税の優遇措置が取られたのだ。
この結果、「生産緑地」に指定されると、
①固定資産税が一般農地並みの課税となる。
②相続税の納税猶予の特例
など、税制上の特例措置が受けられることになった。
これにより、「生産緑地」登録は全国の219自治体で、約6万5000区画にまで拡大した。
一方、生産緑地に指定されると、この指定を解除するのは難しく、基本的に30年間は指定を解除できない。
その間、土地の所有者または管理者は、『農地』として維持管理することが求められる。
「生産緑地」は農地以外に利用できないし、その土地の中に建物を建てることもできなくなるのだ。
では、生産緑地の指定の解除をするにはどうすれば良いのか。
条件は二つしかない。
一つはもちろん30年が経過することで、いま一つは土地所有者または主たる従事者が病気や死亡により、農業を継続できなくなった場合だ。
この「生産緑地指定解除」が後々大きな問題となる。
実際に指定を解除する場合には、生産緑地に指定した市区町村に土地を買い取ってもらうように申し出ることが条件となっている。
そして、市区町村が土地を購入せず、また、他に生産緑地として購入する者がいない場合には、その土地は生産緑地指定を解除され、普通の土地として扱えるようになるのだ。
この生産緑地の最初の指定が行なわれたのが1992年だから、30年が経過した2022年以降、生産緑地指定の解除が大量に発生すると見られている。
さて、これまでにも土地所有者または主たる従事者が病気や志望により、農業を継続できなくなり生産緑地に解除手続きが行われた例は多々ある。
当然、制度に沿えば市区町村に土地を買い取ってもらうよう申し出るわけだが、市区町村は
「財政が厳しい」
「利用価値がない」
などの理由から、買い取りを行わないことがほとんどだ。
となると、生産緑地指定解除が大量に発生するであろう2022年以降、市区町村が生産緑地としての買い取いりを行わない可能性はきわめて高い。
すると、指定を解除された生産緑地が市場に大量に放出されることになる。
そうすると、まず考えられるのが土地価格の暴落だ。
そして第二に、日本は少子高齢化により空き家や空き地が社会問題となっている状況の中で、生産緑地が有効に活用される可能性がきわめて低いということだ。
つまり、より多くの空き地が発生しかねないのだ。
「生産緑地」制度は、政の失敗の典型となる可能性がきわめて高そうだ。
