元マカハサンズのルイス(ムーン)カウアカヒと2001年に55歳という若さで亡くなった歌手のロイヤル・ガーナーの作った曲だ。
マカハサンズのムーンさんと言えば有名だし、知らない人でもフラ競技会のジャッジとしてお目にかかったことある人も多いと思う。
知的でとても静かな方というイメージがある。
ロイヤル・ガーナーはレディ・オブ・ラブ(Lady of Love)というニックネームで、ローカル・ディーヴァ(Local Diva)という女性4人のグループのリーダーであった。
歌の上手い歌手だった。
誇り高きその美しさ
なにものにもかえがたいその美しさ
それはモキハナの花
甘い香りの芳しい花
レイに編まれたその花
小さなマイレの葉の絡まる花
愛と共に編みこまれ
忘れることのできないその愛と
(繰り返し)
あなたに感謝を捧げよう
私の親愛なる友よ
愛するカウアイの島よ
カラニポーの島よ
このお話を繰り返そう
愛する人よ、この私のレイについての
それはモキハナの花
甘い香りの芳しい花
さて、歌詞の中に出てくるカラニポー(Kalanipō)について話そうと思う。
彼は実在の人物で1430年頃(1377年という説も)、カウアイ島ワイメアに生まれた。
そして、8代目の王様となった。
チャントや曲によく名前が出てくる王様で、カウアイ島と同意義に使われることもある。
どういう王様だったのだろうか。
政敵を作ることもなく、大きな戦いに勝つこともなく、大量の魚とポイ(タロイモをつぶして作るハワイ料理)を食べて太り、飲みまくったカヴァ(胡椒科の灌木から作られる飲み物)のせいでカサカサ肌の赤ら顔な人だったらしい。
ところが、彼はそれだけで終わらなかった。
農業を奨励し、利水工事を進め、カウアイ島に平和と繁栄を導いた偉い王様だったらしい。
おかげで国民は安楽に暮らし、戦いに赴くこともなく、平和に布団の上で、いやマットレスの上で命を終えることができたそうだ。
この曲は誇り高きその美しさ、なにものにもかえがたいその美しさと、モキハナへの愛を歌っている。
カウアイ島の花であるモキハナは、美しく、薫り高く、マイレの絡まるその姿を忘れることが出来ない。
ハワイの歌は恋人を花にたとえる場合が多いが、この曲は違うだろう。
対象はカラニポーと言われる、カウアイ島そのものだろう。
ガーデン・アイランドと言われる、緑の美しい島への愛が切々と伝わってくる。
♬ Mokihana Luluby by Howard Ai