メヒは知らなかったが、
その日、メヒの父ミョンジュンは
金策に喘いでいたのだという
年々増え続ける税の徴収
それは、メヒ達、タン家も例外ではなかった
民の暮らしは常に逼迫していた
なのに、徴税官達は税を払えない民に対し、
傍若無人の限りを尽くした
あるものは新調したという
剣の切れ味の道具にされたり、
美しい妻を慰みものにされたり、
そしてそれはその子供達にも向けられたこともあったのだ
聞くにも堪えない愚弄の数々
だが、民はそんなことがあっても
生きていくためには息を潜め、従うしかなかった
結果、無惨に殺されることになっても
その日、メヒを送り出した母リョンは、
入れ違いに帰ってきた父ミョンジュンを出迎えた
ため息をついて力なく首を振るミョンジュンに
リョンはそっと肩に手を触れた
「すまない…こんな暮らしをさせてしまって」
そう言って肩を震わせるミョンジュンを
リョンは黙って抱き締めた
「ミョンジュン!」
家の外から聞くのも耐え難い件の租税官の声が聞こえてきた
一気に顔が強ばるミョンジュンとリョン
その時リョンは、心にある決意を秘めていた
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