※注意
今回の描写ですが、残虐なシーンがあります。
血などのスプラッターが苦手な方は読むのに注意が必要です。
なのでそういう系が得意ではない方は回れ右をお願い致します。
これを読まなくてもお話の流れは掴めますので御安心を...
悪感とは・・・不快な感じ、悪感情など、人に対する不愉快な気持ちを差す言葉。
もうずっと、疲れていた
毎日毎日理不尽なことばかり
だからかどんな些細な事でも怒りが湧き上がり、だが然し圧倒的な理性が怒りを抑え込んだ
何度も何度も繰り返される悪循環
その怒りを上手く消化しきれずに酒に逃げていたことがいけなかった
その日もぼんやりとした意識の先にある盃を目に留めながら
手にある何度目かの盃を煽りそのまま勢いよく卓に叩き付けた
「あ゛ぁぁぁぁぁ、糞っ!」
苛立ちからか、盃から飛び散った酒が手に掛かり卓を濡らす
それさえも気にせずまた口に運び煽る
なみなみと注がれた盃は、まるで飲み干しても飲み干しても消えることのない
悪感のようで更に苛立ちが募る
「何でなんだよ、あの野郎ぉぉぉ・・・」
散々悪態をついた後、勢いよく立ち上がるとそのまま酒幕を出た
月はいつの間にか視えず、辺りに点々と灯る灯りが無ければ何も見えないほど薄暗い
酔い覚ましには全く適さないその道を曲がるともう直ぐ兵舎に着く筈だ
そう思いながら歩いていると、視線の先に人の姿が視えた
ふらふらと右へ左へと歩いている
きっと自分と同じ酔っ払いだろう
よく視るとその後ろ姿に見覚えがある
――あゝそうだ、彼奴だ
思わず零れそうになる笑みを押し殺しながら、その後ろ姿に向かって声を掛けた
其処からの記憶がない
夢を視た
それはまるで他人事の様に目の前で起こる惨劇をただ視ていた
其奴は血飛沫を撒き散らしながら、一心不乱に剣を振るっている
時折
「あぁぁぁぁぁ」
と喜悦の声を上げながらその身を赤く染めていく
「あはははは、そうだよ!此れだ!此れだったんだ!」
その声は何処かで聞いたことがあった
確か...
思案していると其奴は笑いながら此方を振り返った
嬉しそうな顔をして...
――その顔は...まさかーー!
其奴は鮮血に染まった剣を手に此方に向かってくる
「...止めろ......止めろ」
拒否の言葉はあまりにも小さい
「***、*****・・・*****************」
そばまでやって来た奴は何かを呟いているがあまりの恐怖に何も聞こえない
奴は口端を歪め剣を振り上げた
「...止めろぉ......止めてくれぇ!!!!!!」
気付くと其処は自室の寝台だった
「はっ、はっ、はっ、、、はぁぁぁ」
汗が衣をびっしょり濡らしていて気持ちが悪い
「はぁぁ良かった…夢か」
額を手で拭いながら今までの事が悪夢だと気付く
大きな安堵の溜め息を吐くと気持ちも段々と落ち着いてきた
だが、同室の同僚の言葉にそれは悪夢ではないと知る
「おい、お前それ如何した?!」
「え・・・・・・・・・・なっ――!!」
濡れていたのは汗じゃなかった
衣も、手も、顔も何もかも、夢の様に返り血で真っ赤に濡れていた
続
かなり衝撃的な内容で始まり申し訳ありません(´ㅂ`; )
こういう系が苦手な方にはホントに、ホントに申し訳ないのですが、
今回はこの件をもとにしたお話なので、読まれる際には注意をお願い致します。
注意:序章に関しては今回に限りコメント欄を閉じます。
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