Vampire(吸血鬼)...

生命の根源とも言われる血を吸い栄養源とする、蘇った死人または不死の存在。
生と死を超えた者、または生と死の狭間に存在する者、不死者の王とされる。

 

 

 

 

 

 

「如何して……如何してよっ!私達が、一体何したって言うのよーーー!!!」

 

 

女の悲鳴交じりの声は人々の怒声によってかき消された

 

怒りの形相で向かってくる人の群れを前に男は女を背に庇いながら迎え撃つ

だが男は、決して殺さない

男には彼等を倒す理由はないからだ………彼等にはあっても

 

 

 

 

 

嘗て...

男は国を守る武人、女は国の為に尽力する医官だった

然し、時と共に政権が変わり、二人は国を出、山奥の小さな村でひっそりと暮らし始めた

嘗ての栄華も何もかもを捨て慎ましく生きていた...のに

 

『もしや、あの二人......妖者の類いでは?』

 

誰かが呟いた、たった一言の悪意の言葉は瞬く間に村中に広がった

人々は思った

 

『きっと”化けもの”が人の成りをしているんだ』

『いつか我等も同じになってしまうかもしれないぞ』

『否、もしかしたら喰うのかも...』

『そういえば最近、人が消えたという噂が...』

 

――二人が昔と変わらず若々しく美しかったから…

今も変わらず国の為、民の為に尽くす信義は変わらなかったから…

 

 

彼等にとって二人の存在は疑惑を生み、疑念を持つには十分だったのだ

そして遂に行動を起こした

 

『奴等を”排除”する』

 

それは彼等にとっての正義に他ならない

何故なら、自分達と違うものは要らないからだ

 

 

 

 

 

瀕死の男はそれでも妻を守る為に懸命に剣を振るう

もう、最強と言われた雷功を撃つことも出来なくなっている

真正面から刃を受け続けずたずたになった身体は真っ赤に染まっていた

それでも、武人である男は最期の時まで背を向けることはなかった


 

そして遂に.........男は倒れた

地面に伏した身体はもう動くことは無いにも関わらず、

彼等はその身体に牙を向け何度も何度も蹂躙する

 

 

その姿こそ人には見えない

 

女は思った

 

醜く顔を歪め、恐怖と歓喜に打ち震えた顔をした彼等こそが化け物ではないのか?

違うというなら教えて欲しい

何が人か、何が人じゃないのか


死して尚、犯される人としての尊厳さえ無視した行動をその目に映しながら、

女の心は怒りに燃え上がった

 

女は人の波を力いっぱい押し退ける

そして男のそばに座り込むとその身体を抱き寄せた

 

 

「あゝ...ヨンァ............私のひと...」

 

 

最後まで武人としての誇りを失うことなく逝った男の目を伏せ、その唇に口付ける

そしてぎろりとその場に居る彼等を睨み付けた

 

 

「許せない………あなた達を、、絶対に許さない!!」

 

 

女は落ちていた男の剣を拾うと自身の腕に当て一気に引き裂いた

 

ぼとぼとぼと・・・

 

真っ白な腕から大量の血飛沫が飛ぶ

それは男の身体に撒き散らされた

 

そこで不思議な事が起こった

深く裂かれた女の傷がじわじわと戻っていくのだ

 

 

「「「「「「ひっ...」」」」」」

 

 

其処彼処で上がる悲鳴、恐怖に慄く彼等の顔を蔑む様に見渡しながら、女は片方の口端を上げた

 

 

「あなた達が私達を化け物にしたいなら、、お望み通り"そうなってあげるわ"

但し……あなた達も一緒にね」

 

 

そう言うと、男のそばに居た一人の首を片手で掴むとがぶりと噛み付いた

 

 

「ぐぁっ!!・・・・・・あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ・・・・」

 

 

噛み付かれた者は呻き声を上げるもそれは徐々に気味の悪い声音となっていく

 

ずずぅぅぅ、ずずぅぅぅ...

 

恐怖と苦悶の表情を浮かべながら蒼白く変わっていく顔色と

時折首の陰から覗く女の口から大量の血が溢れる様に、皆が恐怖で立ち尽くしていた

 

 

「あぁぁぁ」

 

 

女はゆっくりと口を離すと真っ赤に染まった唇を舌でべろりと舐めた

女は掴んでいた首から手を離すと、”それ”は崩れる様に地に落ちた

その首には二つの穴が開いており、そこからは未だ大量の血が流れている

 

女は艶然と微笑むと、その美しい瞳でゆっくりと周りを見渡した

恐ろしい筈なのに、皆がまるで魅入られた様に頭がぼうっとして動きたくても動けない

 

 

その後はまるで地獄絵図だった

一人残らず首を噛まれ血を吸われ、酷いものはそのまま首を嚙み千切られたり、

生気さえも根こそぎ奪われていく

 

 

 

そして漸く静かになった時、男の指がぴくりと動いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとお話長いなと思ってしまった(;・∀・)

説明が多いし...

 

 

 

問:さて、男は如何なったでしょうか。

結論:(ΦωΦ)フフフ….........どうなったと思いますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

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