済生会カルチャーセンター将棋教室の体験会では、将棋の歴史について触れてみました。下の図を見てください。将棋の発祥は紀元前2000年頃のインドで、今から約4千年も前なのだそうです。世界には実に色々な将棋の仲間があるのですが、これらはインドで生まれたチャトランガが原型になったと言われています。
チャトランガは世界中に伝わっていく過程で、その土地や文化に合わせて、様々なルールに変わっていきます。西洋へ伝わったのがチェス。そして日本に伝わったのが将棋というわけです。
日本将棋には他の将棋にはみられない特徴があります。それは、取った駒を「持ち駒」として再利用できるというルールがあることです。他の国の将棋はすべて、取られた駒は盤上から消えていきます。すなわち、相手の駒を殺してしまうのです。一方、日本の将棋は相手の駒を殺しません(味方に引き入れて戦います)。この違いは、日本の他の国との文化の違いから来ているという説があるようです。カクザンはこの説を支持したいと思います。日本の将棋が相手の駒を殺さないのは、日本人の根底にある優しさの表れではないかと思うのです。
同じような話を最近TVで観ました。それは野球の始球式の話です。高校野球の甲子園大会の開幕試合などで始球式を見たことがあるという方はたくさんいると思います。ボールを投げるのはゲストの方で、打席には一番打者が構えています。そして、始球式では投手が投げた球がワンバウンドになっても、打者は空振りをします。ところがこれは日本式の始球式だというのですね。
野球の本場はアメリカですが、本場の始球式は違うのだそうです。どう違うのか、カクザンは上手く説明できないのですが、少なくとも打者は空振りはしないようなのです。
では、なぜ日本の始球式では打者は空振りをするようになったのか?実は、日本にプロ野球が誕生するはるか前に、早慶戦で有名な早稲田の野球チームがこの始球式を行いました。投げたのは総長の大隈重信氏。ご高齢で、球はミットに届かず転がっていったのだそうです。しかし、このままでは総長に恥をかかせてしまう。なんとかしなければ。そう考えた打者が、とっさの機転で空振りをしたというのです。どうも、これが日本の始球式の始まりで、以来、この伝統が受け継がれてきているのではないかというのです。
私は古田敦也氏の紙芝居解説で知ったのですが、嫁さんはチコちゃんで観たと言っていました。
将棋と野球の始球式。全く別の分野でしたが、本場とは違うやり方になっていった背景を考える上で、どことなく共通点があるようにカクザンは感じました。みなさんはいかがでしょうか?
◎お知らせ
2023年4月からカルチャーセンターで下記将棋講座(3講座)を担当させていただくことになりました。小学生以下の場合は保護者付添での参加が可能です。ご希望の方は岡山済生会フィットネス&カルチャークラブにお問い合わせください。
講座名:カクザン先生の「将棋を楽しもう」
開催日時:毎月第2、第4金曜日、18時~20時
講座名:カクザン先生の「将棋入門」
開催日時:毎月第2、第4土曜日、15時30分~17時30分
講座名:カクザン先生の「将棋中級コース」
開催日時:毎月第2、第4土曜日、18時~20時
会場:済生会フィットネス&カルチャークラブ
電話:086-252-1101
駐車場:約100台分利用可