今回は「竜は敵陣に、馬は自陣に」です。
将棋の駒のうち、「飛」と「角」は大駒(おおごま)といって、他の駒(小駒(こごま)といいます)よりも強い働きをします。この2つの大駒を上手に使いこなせるようになることが、将棋上達の上ではとても大切です。「飛」と「角」は敵陣で成駒になるとさらにパワーアップします。すなわち、「飛」が成ると「竜」に、「角」が成ると「馬」になります。ここで、覚えておいて欲しい格言が「竜は敵陣に、馬は自陣に」です。
「竜」が敵陣にいるだけで、相手に与えるプレッシャーは相当なものとなります。相手陣地内にある「桂」や「香」などの駒をどんどん取ることができます。また、「と金」と協力して相手の守り駒である「金」や「銀」をはがしていくこともできます。「竜」はヨコからの攻撃に威力があり、その攻撃方法は初心者にも分かりやすいのが特徴です。
一方、「馬」の使い方は少し違います。「竜」とは違い、ヨコへは(タテも)1マスしか動けないため、初心者が攻め駒として使うにはやや難しい面があります。「馬」はナナメ方向にどこまでも行けるので、攻め駒として使うには、このナナメのラインを生かした攻撃方法をマスターする必要があります。代表的には、遠く離れたところから相手陣地をにらむような使い方が効果的な場合が多いです。そこで自陣に「馬」を引きつけて戦うと、攻めにも守りにも使えることになります。別の格言に「馬の守りは金銀3枚」というものがあります。本当に「金銀」3枚分の働きがあるのかどうかは不明ですが、「馬」が自陣の「玉」のそばにいると、それだけでカクザンは負ける気がしません。それくらい心強い存在なのです。自陣を守りつつ、遠くから敵陣もにらんでいるという。これが「馬」の特徴を最大限に生かした使い方になります。
今回登場した格言をマスターすることは、いずれも初級コースの卒業問題レベル(11級の生徒さんが10級になるための問題)になるかと思います。初級者向けの重要度Aとしたいと思います。20級以上になったら、少しずつでよいので、こうしたことを学んでいってください。
◎中級者向け(1級~10級)以上
○重要度A
・詰将棋(やさしい5手~9手詰め)
・攻めの「拠点」
・「香落」の初形
○重要度B
・
○重要度C
・「香落」は下手有利なのか?
◎初級者向け(11級~20級)
○重要度A
・玉は包むように寄せよ
・王手は追う手
・遊び駒の活用
・詰将棋(やさしい3手詰め)
・棒銀(▲2三銀不成~▲2四歩)
・棒銀(▲1五歩、△同歩、▲同銀)
・3歩持ったら「ツギ歩」と「タレ歩」
・金はトドメに残せ
・竜は敵陣に、馬は自陣に(New)
・馬の守りは金銀3枚(New)
○重要度B
・
○重要度C
・「飛香落」の初形
◎初心者向け(21級以下)
○重要度A
・王手と詰み
・持ち駒
・駒得
・成り
・詰将棋(やさしい1手詰め)
・数の攻め(=足し算攻撃)
・棒銀(基本の攻め筋)
・タレ歩
・頭金
・駒の並べ方
○重要度B
・
○重要度C
・駒台
・大橋流と伊藤流
・「王」と「玉」
◎保留