「王手」よりも「詰めろ」(その4・完) | カクザンのブログ(岡山市の親子将棋教室)

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子どもたち、保護者の方に、将棋の楽しさ・魅力をお伝えします。次回教室は津山おもちゃ図書館将棋教室が5/18(日)、高島教室が5/19(日)の予定です。

「王手」は相手「玉」を安全地帯へ逃がしてしまうことが多い。なので、「王手」はできるだけかけないのが勝つためのコツとも言える。ためしに、今度、NHK杯のテレビ将棋対局で注目してみてほしい。プロ棋士は「王手」をあまりかけていないことが分かるはずだ。


「詰めろ」は次に相手「玉」を詰ましますよという手だが、「王手」よりも良い手になることが多い。今回は、このシリーズの最終回として、上手な「詰めろ」のかけ方を紹介しておきたい。こんな「詰めろ」のかけ方もあるということを知っておこう。



まず最初に図1を見てほしい。今、先手は持ち駒の角を▲55角と打ったところ。これは王手飛車取りで、こうなれば勝ったも同然だろう。図1をよく見てから、次に図2を見てほしい。


(図1 ▲55角まで)
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図2も今、先手が手持ちの角を▲55角と打った局面である。図1とのちがいがわかるだろうか?


(図2 ▲55角まで)
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図2は「玉」の位置がちがうため、「王手」になっていないところが違う。よって、図2は単なる「飛車取り」(次に飛車を取りますよという手)のようにも見える。しかし、そうではない。後手は飛車が逃げると、そこで▲22金という手があって、後手「玉」は詰んでしまうのだ。図2の▲55角のような手を、「詰めろ飛車取り」と言う。この局面では後手は▽12玉か▽31玉と「玉」を逃げる一手なのだが、すると、先手は▲82角成と「飛」を取って大成功となる。



最後に問題を出しておく。図3をよく見てほしい。先手があなたなら、ここでどう指せばよいだろうか?


(図3 問題図)
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図3で、▲33銀と指せば「詰めろ」だが、▽32金と受けられて困る。正解は▲23銀。この手は次に「飛車取り」と▲32金までの詰みを狙っている。後手にはそれを同時に受ける手がない。なので、▽42玉と逃げるくらいだが、先手は▲14銀成と「飛」を取って大成功だ。


(図4 ▲23銀まで)
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今回説明したような「詰めろ」が指せるようになると、将棋がもっともっと面白くなってくるぞ~



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