二日、山に入り、あれこれ考えていた気持ちも、何やら鎮まってきた
心地がします。
今日は、都会に、長年行方知れずだった「美人」を観に行きました。
鏑木清方 幻の≪築地明石町≫特別公開。
清方の美人画の多くが一同に会するという感じで、壮観でした。
国立近代美術館の周辺は、
まだ、こんな感じです。
樹木の秋は始まったばかり。
上村松園の描く美人画が物語性を帯びているとしたら、鏑木清方の描いた
美人画は、明治・大正の時代の生活の中の記憶でしょうか。
どちらも美しい。
≪築地明石町≫は、1975年以来44年振りの発見なのだそうです。
他の二美人図(「新富町」「浜松河岸」)より、明らかに紙の状態が良いように
思えました。(紙が日焼けしていないというか、光線の影響を受けていない感
じでした。)
≪築地明石町≫のモデルとなった人の写真や着物・羽織も展示されていまし
た。
他に、粋筋の人、商家の女将さん、奥様、女学生、少女と、美しい女性像が集
まっていました。
圓朝や鏡花の肖像も有り、絵巻仕立ての物、屏風絵と、清方の代表作を観る
事が出来ました。
美術館から、皇居東御苑もすぐでしたので、帰りに寄ってみました。
ここは、紅葉の名所でもありますが、まだ、青紅葉です。
二の丸公園の雑木林が、「黄葉」し始めていました。
楓の紅葉の代わりに、私の大好きな物が・・。
これで、半日過ごせます。
江戸城は、石垣の見本市。
鷺もいました。
薄と松と石垣の、美しい調和・・。
二の丸庭園の池には鯉。
夏椿の秋の装いと冬芽。
野菊。
紅葉の予感。
広い庭園をのんびりと歩きました。
日本語、英語、スペイン語、中国語、多分タイ語が、飛び交っています。
でも、公園なので、どちらの方も静けさを求めてを、大事にしている感じでした。
昨日の月。
風が雲を払ってくれるのを期待していましたが、時々顔を出してくれる
雲隠れにし夜半の月、とあいなりました。
わづらはで 月には夜も 通ひけり
となりへつたふ あぜの細道 西行