痛み治療ガイドを読み続けています。

 

〇「患者さんと 家族のための がんの痛み治療ガイド 増補版」 より

※Q&A形式で、

 丁寧な文章で解説されています。

 自分の記憶のために、キィワードを中心に、箇条書きや要約といったものにして

 います。

 

〇第6章 薬以外による 痛みの緩和方法  より

2.放射線治療とは

 

Q45 背骨にがんの転移がある。

    背中が痛む。

    痛みどめを貰っており、痛みは軽くなっている。

    完全にはとれない。

    医師から、放射線治療を勧められた。

    副作用が心配。

    副作用で、もっと調子が悪くなったりしないだろうか? 

 

    ・転移による骨の痛み

    →放射線治療を行う→高い確率で痛みが和らぐ、あるいは消失する

 

    ・痛みを和らげることを目的とした放射線治療においては、副作用は通常

     軽いもの

    (※出来る施設を探し選ぶ必要があるかと思います。がん治療、緩和ケア、

     放射線治療等の横のハードルが低いというか連絡の良い施設がいいの

     かもしれませんね。

     先日の「医療安全」の番組の中で、かつて京大は、「各グループ」の優秀

     さは疑いようがないものだったにも関わらず、横の連携はなかったという

     反省がなされていました。)

解説

   転移による痛みには放射線治療が有効です。

    ・70~80%程度の患者さんにおいて痛みが和らぐ、あるいは痛みどめが

     減らせることが期待できる

    

    ・短い治療期間と少ない副作用で痛みを和らげられる長所がある

    

    ・ただし、痛みが和らぐのは放射線医療を開始して平均で3~4週間後から

   

    ・骨への転移以外の場合でも、痛みを和らげることが期待

 

※医学というか、治療は常に期待と可能性。

 期待しすぎず期待する。

 選択し決めるのは患者自身。主治医に相談し、熟考の上で。

 

  1)外照射

     身体の外部から痛みの原因になっている部分に、X線等の放射線を照射する

  2)ストロンチウム-89

     広い範囲に及ぶ痛みに対しては、ストロンチウム-89という薬を用いた放射線

     治療が行われることがある

     ストロンチウム-89は治療に適した放射線を放出する注射用の薬

     転移した場所に長くとどまることで、痛みを和らげる効果を発揮

 

※「ストロンチウム」・・・懐かしい響きです。高校の物理で、ガスバーナーの炎に極々

  少量をさらすことで、出てくる炎の観察をしましたねえ。何を燃焼させるかで、出てく

  る炎の色が違う。(今は、こういう実験はしないかも。)

 

  副作用は軽度です

    ・副作用の多くは軽度

    

    ・放射線治療を行う場所によっては、一時的に 皮膚の赤み

                                  のどの荒れ

                                  気分不快

     等の副作用が現れることがある

    

    ・骨の転移に対しては、一時的に痛みが強くなることもある

 

  放射線治療専門医に相談してください

    ・高度な専門知識が必要

    ・主治医を通して、放射線科の治療専門医に相談を

 

3.神経ブロック療法とは

Q46 がんの痛みに対する神経ブロック療法とは、どのような治療か?

    

    ・身体のどこかに異常が起こる→異常信号を神経が脳に伝える

    →痛みを感じる

    ・神経ブロック療法は、痛みを伝える神経に局所麻酔薬やアルコールを

     作用させる。あるいは高周波で熱を加える

    →神経の働きを止める→ 痛みを感じなくする

解説

   神経ブロック療法が有効な場合

    ・限られた部分に激しい痛みがある

    ・痛みどめの副作用が強く、薬を増やすのが難しい

    ・痛みどめが効きにくい

    ・通常、神経ブロック療法は、麻酔科やペインクリニックの専門の医師が行う

 

   神経ブロック療法には、2通りの方法があります

   1)局所麻酔薬や医療用麻薬を持続的に注入する方法

   2)アルコールを使用する方法、高周波熱凝固法(マイクロウエーブ)

      内臓や胸腹部の痛みには積極的に行う

 

※コラムに神経ブロック療法でQOLが向上した患者さんの例が紹介されています。