本日は、晴れです。

ベランダの花に水をやる時、寒さを感じます。

冬が、ひたひたひたと・・。

 

がん修業生活(勝手に造語です)を送る私ですが、

「がんである事から発生する悩みや恐れ」を、けっとばして、

「俗世で起こる諸々の悩み」も出現します。

大抵は、迂闊な私の、「しまったなあ・・・・・。」な出来事が原因ですが、

物事は、解決できない時も山ほど・・・・。

 

ため息をついている所に、日々、家人氏のために美味しい食パン作りに

励んでいる、癌腫の違う友人から、明るい声で電話がありました。

 

「□さん、○です。」と友人。

「〇さん、声がそれという事は、調子はいいのかな。どんな感じ?」と私。

「大丈夫だよ~。今日は、CT検査に行ってきました。」と友人。

「そうすると、一週間後に、結果を聞くことになるのね。」と私。

「そうなるかな。」と友人。

 

「ところでね、検査する時に薬剤を入れるけれど、ポートを設置してあるこ

 とを話したら・・・。看護師さんが(こんなに元気なのにポートを設置してあ

 るんですか。)って。(笑)」

「血管が細くなって来ていて、そこから注射できないという事で、前の病院

 で設置しました。と説明したら、看護師さんが、(ここの血管、太いですよ。

 ここから入れましょう。)という事で、腕からすっととなりました。」と友人。

 

「ポートの種類というか、薬剤の種類というかで、ポートを使わない方が

 いい事も、CT検査の場合、あるらしい。」と教えてくれました。

 

「前は、血管が探せないというか、細くなったというか、弱くなっていたんだ

 よね。その血管が復活してきたという事なのね。」と私。

「そうかもしれない。体重も髪の毛も、地獄の亡者というかゾンビというか、

 あ、同じね。そこから復活してきて、今○○㎏。(友人は、表現が独特で

 自己を徹底的に客観視して描写します。)」と友人。

 

「○○㎏なら、普通に、スリムなすっとした中高年女性じゃないの。家人氏

 故郷の水・空気・食物・くま先生・病院の看護師さんと、ピッタリ合ったとい

 う事だわね。」と私。

「味覚が戻ってきて、色々なものが美味しく感じられるようになって来たの。」

と友人。

「それって、〇さんにとって、凄~く重要なことだよね。」と私。

「そうなのよ。」と友人。

 

治療継続は無理という事で、家人氏故郷の病院の緩和病棟に入院すべく

転居した友人は、くま先生に出会って、自宅で療養生活、治療再開です。

家人氏に美味しいサンドイッチを、毎日、作っています。

 

友人に、申し訳なくも、私は、「俗世の悩み」を聞いてもらいました。学生時代

からの長い付き合いなので(仕事時代のブランクは長いですが)私の短所も

よく知ってくれています。考え始めたり悩み始めたりすると、ああでもないこ

うでもないと、延々と続きます。

 

友人は違う視点をくれました。

お蔭で、気持ちを整理することが出来ました。

友人の電話がなければ、長期間、あれこれと考え続けていた事でしょう。

助け手は、友人でした。(遠くではあっても、同じ空の下、私はSOSでも送って

いたのかもしれません。)

他の人の眼というものは、まことに大事なものです。

ありがとうね。〇さん。眠れましたよー。

 

 

サミットの大会長佐治先生が、サミットを立ち上げた方々の一人である

中見先生(作家・ジャーナリスト)を評して、

「医者でも無いのに、何で手を突っ込んでくるのか(佐治先生のユーモアも独特

 かも)と思っていたんだけれど、今日、分かりました。この会場の患者さん達が

 理由・・・・。」という意の事をおっしゃっていました。

 

サミットの事を知ったのは偶然でした。

昨年は横浜に出かけ、今年は東京に足を運びました。

中見先生のお考えの一端は、中見利夫事務所「不易流行と武士道2018」

というプログで拝読することが出来ます。

 

進行期のがんを生きる、がん患者さん達の助け手の一人となろうとされ、他の

助け手を探し続けていらっしゃる。出会う機会を提供し続けて居られる方なの

だと思います。

呼びかけに応えて、講演・公開オピニオンに登壇された先生方。

自ら申し込まれて大会に出席された大阪国際医療センターの松浦先生。

(話こそされませんでしたが、私には印象的な存在でした。)

会場運営に関わった方々。

 

助け手はいるものなんだなあと思います。

今週末は最も身近な医療の助け手、地域の中堅病院で、外来化学療法です。

毎度の準備に入ります。

 

俗世の悩みには、友人という助け手。

病気には、通院している病院の主治医の先生、看護師さん、薬剤師さんと

いう助け手。

 

 

今週、色々と読んだり聞いたりした中で、心に残る言葉は、

亀田総合病院緩和ケア科が研修医に向けて書いた「己を知る」

中見先生の「礼節」

そして友人の「視点を変えてみる事を気付かせてくれた言葉」

でした。

 

 

言葉に励まされたり、

自分の言葉を後悔したり。

言葉は言葉としてだけ存在するのではなく、何かを乗せて漂ってしまう

事もあります。雄弁は銀、沈黙は金。やはり、名言でしょうか。

今日も最後はボヤキでした。

 

秋の花