支持療法と緩和療法(ケアも含むとして)、この二つの違いは、
何処にあるのか、何処まで同じなのか、違いとしては、精神面
心理面を扱うとしている所なのか等、多分、初歩的なんだろうと
いう疑問を調べています。
がん患者には(がん患者に限らず他の病気でも必要としている
人には必要だと思います。)早期からの緩和ケアが必要という
のは、厚生労働省も医学界も数年前(もっと前かな)から言い続
けている所かと思います。
始まりは、日本のがん患者は、「痛み」(文字通りの痛みです。癌
は、文字通りの痛みと付き合わざるを得ない事例が多い。)に関
する治療をあまり受けていないという認識が、出発点だった様に
覚えています。(違うかも?)
今は、「全人的な痛み」こそを、緩和ケアで扱うという事になって来
ているという事かと思いますが、では、治療をする側がどういう「医
学教育」を受けるのかは、「緩和」を受ける側としては知りたい所で
す。
(緩和ケアは標準的な療法だけで成り立つのか。
瞑想、音楽療法、運動療法、食事、漢方、鍼灸 マッサージ、アロ
マテラピー等、使えるものは総動員の様な気もします。精神科医
が使われる認知行動療法といったものも。)
医学生が学ぶ「緩和ケア」について、
まず大雑把に知るためにはどうするか、カタイ資料を何処から探る
かを考えました。
思いついたのが国家試験に出される内容を項目で表したものを探
すことです。探してみました。
○医師国家試験出題基準(平成30年度版)より
必修の基本的事項
15 死、緩和ケア、終末期ケア
→B 緩和ケア
→1緩和ケアの概念 2全人的苦痛<トータルペイン>
3苦痛の緩和 4緩和ケアチーム 5ホスピス
6緩和ケア病棟<PCU> 7疼痛のアセスメント
8疼痛緩和の薬物療法 9がん疼痛治療
医学総論 治療
11 緩和ケア
→A 全人的苦痛の緩和
→①緩和ケアの概念
②全人的苦痛<トータルペイン>の種類と原因
③身体的苦痛 ④精神的苦痛 ⑤社会的苦痛
⑥チームアプローチ⑦家族ケア ⑧緩和ケアチーム
⑨ホスピス 緩和ケア病棟<PCU> ⑩癒し環境
→B 身体的苦痛の緩和
→①がん性疼痛の種類と原因 ②疼痛のアセスメント
③疼痛緩和の薬物療法 ④がん疼痛治療法
⑤がん悪液質の概念と病状把握
⑥全身倦怠感・食思<欲>不振・呼吸困難の治療とケア
⑦胸水・腹水・全身浮腫の治療とケア
⑧緩和的外科治療
⑨緩和的放射線治療
⑩インターベンショナルラジオジー<IVR>
(※画像下治療 X線 CT 超音波等の画像診断
装置で身体の中を透かして見ながら、カテーテル
や針を入れて標的となる病気の治療を行う。血管
の詰まりの治療やがんの治療などに幅広く対応
「IVRって、なに?」日本IVR学会のホームページより)
⑪鎮静<セデーション>
→C オピオイド<医療用麻薬>
①オピオイドの種類と効果
②タイトレーション(※薬剤の容量の調整)
③レスキュードーズ(※突出痛に対応する薬、薬の形態の
選定や、使用法というか容量の設定は
個人の痛みの感覚に合わせて慎重に
対応の様です。)
④オピオイドローテーション
(※「がん疼痛の薬物療法によるガイドライン」
日本緩和医療学会に説明があります。)
⑤鎮痛補助薬
⑥オピオイドの副作用と対策
→D ホスピス・緩和ケア
①ホスピスケアの基準
②生活の質<QOL>の改善・維持
③緩和ケア病棟
④緩和ケアチーム
⑤在宅ホスピス・緩和ケア
⑥レスパイトケア
(※介護をしている家族に一時的にリフレッシュして
貰ったり、休息して貰ったりする為の支援)
⑦悲嘆のケア<グリーフケア>
⑧遺族ケア
という事を、「医学部」の「医学教育」として学んで来られるようです。
医学生が学ぶ「緩和ケア」についての知識を得るためのとっかかりに
はなりそうです。
30年度からの国家試験の基準かと思います。医学教育のモデル・
コア・カリュキュラムが緩和ケアの充実も図るという事で内容が改定
されたのは28年度なので。
(※改定と改訂の間に居られる医学生は、学習すべき内容が増える・
増えたという事になるのかな?28年度に4回生だったとしたら?)
医学生は、多分、看護学生も大変ですね。
緩和ケアの臨床実習という、対人教育はどう受けるのかは、この項目
からは推測しづらいですが、研修内容を調べてみれば何か分かるか
もしれません。
全人的な痛みについて、医師と会話もしくは対話をするのならば、基
本となる知識を得ておかなければ、会話・対話の成立もなかなか難し
いのではないのかと考えます。HOW TOだけでは解決し得ないもの
に、どう解決や歩み寄りを見い出すのか。
会話には技術的な側面がありますが、対話としていく為には、技術だ
けでは解決しないものもあります。会話ではなく対話に深めるために
は、技術だけではない「何か」がある様な気がしています。
(個人的な考えです。)
「何か」は伝わって来るものであって、求めるものでもないかもしれませ
ん。
けれども、「伝えよう・受け取ろう」とする努力の中に、その「何か」は隠
れているような気がします。
花は花