快晴。湿気あり。今日も暑くなりそうな天気です。

中山選手以来の、アジア大会男子マラソンでの優勝。

20歳以下の女子ワールドカップでの優勝。

運動は苦手です、でも、見るのは好きです。

若い選手の活躍が、ニュースで入って来るのは嬉しいものですね。

勿論、ベテラン勢の活躍も。

 

20歳以下のサッカー女子日本代表の試合は、見応えがあって美しい

ものだったらしく、外国のサッカー記者、観客からも、称賛の声があが

っている様です。なんとか、決勝の再放送が見たいものです。

緊迫した試合が持つ美しさは、音楽・美術・舞台の鑑賞から感じられる

ものと、ほぼ同じような気がします。

 

 

「癌と痛み」学習。

お医者さん達から、「モルヒネは誤解されている。」という声があがる、

モルヒネについて調べてみようと思います。

 

画期的な、例えば、

「癌治療の根本を変えてしまう様な薬」

「再発・転移を持つがん患者の治療を、大きく変えてしまう様な薬(副作

 用少なめ)」

という様な新薬でも見つかれば別ですが、石橋を叩き壊しかねない私は、

どんな場合も、基本的に、古くから使われている薬の方に安心を感じま

す。特に、痛み治療などの場合。

 

という訳で、モルヒネに関しては、

「長年、医療現場で使われ続けているのだから、有効性と安全性は、他

 の薬より証明されているといえる気がする。(素人なので)」

「有効性と安全性が高くなければ、こうも長く、使用され続ける事はないだ

ろう。」

と考える訳です。

 

医療過誤が起こった場合は、モルヒネにしろ他の薬にしろ、重大事故につ

ながってきます。

モルヒネ投与関連事故は、2017年水戸の病院で医師看護師間の伝達ミス

により重大事故が起こっています。(今年、6月に調査結果の報告が出まし

た。伝達の時の単位誤認というか、理解不足というか。京大病院は別の薬

でしたが、これも薬剤量の単位問題でしたね。)

 

モルヒネによる痛み緩和の治療を受ける時、モルヒネの扱いをよく分かって

おられる、医師・薬剤師・看護師のグループによる痛み治療が、安心・安全

の担保の様なものでしょうか。

 

痛み治療にかかわるお医者さん達が「モルヒネは誤解されている」と話す・

または書く訳は、どの辺にあるのでしょうか。

阿片と混同? 人によっては、副作用の心理的な症状が大きい?

 

「癌と痛み」「がん疼痛療法」「モルヒネ」のキーワードで調べてみました。

日本緩和医療学会

がん研有明病院

国立がん研究センター がん情報サービス  等が出て来ます。

 

今日は、2014年の記事ですが、

○がん治療新時代WEB

 「がんの痛みを消し、延命効果もあるモルヒネは自然界が人類に与えた

  最高の鎮痛薬」(向山雄人医師 当時はがん研有明病院の緩和医療科

  の部長をされており、現在は、がん在宅医療・がん緩和ケア内科外来の

  クリニックの院長をされておいでの様です。)

を読んでみました。

インタビューから、記事にしたものです。「・・・語った。」とあります。

 

○・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 「医療用麻薬」に分類されているモルヒネは、「麻薬」という言葉から、「中毒

 になる」「廃人になる」「死を早める」など、負のイメージを患者さん、御家族

 はお持ちではないでしょうか。しかしこれはわが国に未だはびこる誤った「都

 市伝説」です。モルヒネは200年以上研究され、痛みを消すだけだけではなく、

 がんに伴う激しい咳や呼吸困難感(息苦しさ)をも緩和してくれることが検証

 されている自然界が人類に与えてくれた最高のプレゼントの一つなのです。

 

 ・・・・・モルヒネの誤解を解くためにも、モルヒネが痛みを消す仕組みから

 説明していきます。

(※以下、自分の記憶の為に箇条書き化します。)

 

・痛みがどのようにして脳に伝わるかを説明(例として、指先の傷)

・傷ついた指先の細胞から、痛みを起こす物質(発痛物質)が放出

 

・人の神経は脳、脊髄からなる「中枢神経」と、それ以外の多数の神経線維

 からなる「末梢神経」から構成

・発痛物質は末梢神経を刺激→痛みの信号を発生→夥しい数の神経細胞

 が連なって構築されている神経経路を伝わっていく

・痛みの信号は、神経細胞の間では「神経伝達物質」と呼ばれる化学物質に

 よって伝わる

・神経伝達物質を受け取るのが神経細胞の表面に突出する「受容体(レセプ

 ター)」

 

・神経伝達物質を受け取った神経細胞は、神経細胞内に痛みの電気信号を

 送る

・信号によって神経物質に新たな神経伝達物質を放出させ、次の神経細胞

 へ情報を伝えていく

・神経細胞が痛みの情報を受け取る受容体を「オピオイド受容体」と呼ぶ

・神経細胞を通って伝えられた情報は、脊髄を通って脳に達する

・脳が痛みの信号を受け取り、私達は「痛い」と感じる

 

*痛みの伝達経路で「オピオイド受容体」に作用するのがモルヒネ

・モルヒネは神経伝達物質より先回りして「オピオイド受容体」に結合

・神経細胞は痛みの信号を受け取ることができなくなり、痛みを止めること

 ができる

 

・モルヒネは、最近は、「医療用麻薬」より「オピオイド鎮痛薬」、略して「オピ

 オイド」と呼ばれることが多くなっている

 

・痛みや呼吸困難感を改善するモルヒネは延命作用を持つことも報告され

 ている。(2004年 『Cancer』に掲載されている)

 

皆様が持っているモルヒネのイメージは変わったでしょうか?

誤解が解消された方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(向山医師からの語りかけ)

 

付記の説明記事

 アヘンから精製されるモルヒネは200年の歴史を持つ鎮痛薬

 ・モルヒネは芥子から抽出される阿片が原料

 ・阿片の強い鎮痛効果は、古代エジプトの壁画にも記録されている

 ・1840年には、阿片をめぐる阿片戦争

 ・阿片からモルヒネが初めて精製されたのは19世紀初頭のドイツ

 ・薬剤師、フリードリヒ=ゼルチュルナーが精製

 ・1853年には、皮下注射が開発され、以降勝れた鎮痛薬として普及

 ・モルヒネという名前は、ギリシャ神話に登場する夢の神(モルフェウス

  に由来

 ・モルヒネをはじめとするオピオイド鎮痛薬のほとんどは「麻薬及び向

  精神薬取締法」「あへん法」「大麻取締法」で取り締まりの対象となっ

  ている(※不法に流通、横流しされれば、大問題ですね。)

 

※数日前見た、アメリカのお医者さんドラマで、簡単に「オキシコドン」

 が間違った方法で痛み止めとして処方され、少年少女の依存症問題

 の入り口になっている、というテーマが扱われていました。

 フェンタニルは、別のアメリカのニュースで取り上げられていました。

 (不法に精製?)

 

 劇薬、毒薬、麻薬、普通の薬剤であっても、扱いや管理は大変かと思

います。鎮痛薬として使われる医療用麻薬に、「誤解」がついてまわる

一つの要因は、社会的な問題が説明不足のまま、世間に広がっていく

ことにもあるのかもしれませんね。

 日本の医療界が「医療用麻薬使用」に用心深いという事は、社会の防

波堤の一つになっているのかもしれないと思いました。

 

 

○「がんの痛みとモルヒネ」(つくばセントラル病院)

モルヒネのはなし  より

   モルヒネは大変有効で安全な薬です。

   鎮痛効果があり、吐き気や便秘以外には目だった副作用がありま

  せん。

   有効で安全な薬であるにもかかわらず、世の中から白い目で見ら

  れてきた不遇の薬でもあります。

   モルヒネを鎮痛剤として適正に使用する限り、精神がおかされたり、

  依存性が出たりすることはありません。

   それにもかかわらず白眼視されてきた背景には、かつてアヘンが

  社会問題だった遠い時代の記憶があることと、第2次大戦後に世界

  中で行なわれた麻薬撲滅キャンペーンの中で過剰に脅かされたこと

  が大きな原因です。

 

 

私は、別にモルヒネ宣伝者ではありません。(笑)

薬は、どんな薬でも2面性があると思っています。

しかし、「現場の医師」が、患者さんの為に有効であり、安全性が高いと

考えて長年使用してきた薬は、ある種の証明がなされていると思う訳で

す。

それで、調べる。となるわけです。

いつか、モルヒネを使う前には、更に、機序やら、用量やら効果やら副

作用やらを読み込んでいきたいものです。

 

 

私の膝からも神経伝達物質が・・・・・。

何処かで遮断器を下ろしたいものです・・。

「火もまた涼し。ではなく、痛みもまた、痛くない?・・。」

 

秋の花 

吾亦紅 風の揺らぎを 我願う