富士の御山は、ややぼんやり。
けれども、今日も美しく見えています。薄い富士もいいものです。
ずうっと、ぼんやりしていてくれるといいなあと思うものはあります。
「継続は力。」昔むかしのそのまた昔、受験勉強時代に、多くの人が
聞いたであろう言葉です。実生活でこそ大事な言葉というか、意味
のある言葉かもしれません。
続ける事で、熟練し、理解は深まり、対策も立てられる。のかもしれ
ません。(続けられないのが、日常のお片付け・・・・・・。私の場合。)
ぼんやりとしていてくれるといいなあというか、後になるほど有難い
なあが、我が、ガンちゃんズの成長です。しかし、知識という武装もし
ておかないと。「冷静さこそ、我が武器。」これも、昔むかしのそのま
た昔、何かで読んだのか、ふっと思いついたのかという言葉ですが、
私には重要な言葉です。
この病気になって、抗がん生活を続ける為には、私の場合、必要な
のは「自分の癌の学習を冷静に継続する事」です。兎にも角にも、
自分で調べられる限りは調べておきたいものです。正確な、知りたい
と思う統計値を知るのは、結構、大変です。
国の統計も出て公開されて来ていますが、細部の数字は出て来ませ
ん。
数字は数字にしかすぎませんが、判断材料には必要です。慎重に探
して、勉強したいものだと思います。
という訳で、今回は渡されていたパンフレットを使って再び勉強です。
自分に関係が有る所は繰り返し読んでいましたが、他はざっとだった
ので、読み返してみました。
私のような転移性肺腫瘍および他の転移がある患者に示されている
がん薬物療法(化学療法)に使われている基本的な薬剤は、
抗がん剤 オキサリプラチン(L-OHP) 「エルプラット(薬品名)」
イリノテカン(CPT-11) 「トポシテン カンプト(薬品名)」
5ーFU(5-フルオラシル)
5-FUの効果を高めるための薬剤
レボホリナート(lーLV) 「アイソボリン(薬品名)」
分子標的薬 アバスチン(ベバシズマブ)
アービタックス(セツキシマブ)
ベクティビックス(パ二ツムマブ)
※2年ばかり前に渡された資料「外来化学療法の手引き」を基に書い
ていますので、使う事ができる分子標的薬は増えているのではないか
と思います。
制吐剤 私の場合は内服薬イメンドと点滴薬アロキシで、制御中。
効果有りです。
以前は、グラニセトロンとデカドロンを使用。
パンフレットに書かれている事
・毎回の抗がん剤治療の前には十分な診察
・血液検査の結果を参考にしながら、その日の投与が可能か判断
・2週に1度入院、または通院1日(※私は2週だと、あっという間に
白血球数が不足になりますので、相談、相談です。)
・欧米の臨床試験の結果では、がんが半分以下にまで縮小する事が
認められた(45~56%)
※しかし、残念ながら、再増悪は免れないのが実情です。例外はありますし、
再増悪の時期は、人それぞれです。ですから、私などは、各種の中央値に
興味があります。参考の数字にはなり得るからです。しかし、医療関係者で
ないと、はっきりとした最新の数字を知る為には苦労が・・・・。
あっさり「余命告知」されるより、「科学的根拠」と言われる統計的な数字・表・
グラフそのものを見たいと思っています。少数派でしょうか?少数派かもしれ
ません。
以前、がんの言い方の事で、私が、「私は、末期癌なので、かくかくしかじか。」
という話し方をしていた時、主治医からは「最近は、末期癌という言い方はし
なくなってきています。」という会話が、診察室でかわされました。
「言い替えた所で、末期癌の中身が変わる訳でも無しだと思うんですけどねえ。
(癌末期でも終末期でもありませんし、英語版ではend off stage なのじゃ
あないかなあ?と・・・。終末期との混同を避けたい?)」等という話を、主治医
とした時、
「○○さんの様に、自分の病気を捉えるというか、考える方ばかりでもありま
せんから。今は、その言い方をしなくなってきているんですよ。」
と、説明されたのです。穏やかに。主治医は、中々なお人です。(いい意味で。)
やはり、私は少数派?
しかし、医療側が言い方を変えた本当の理由って何でしょう?
勉強の続きです。
・パンフレットに記載する内容は一般的なもので、担当医の説明を補足するもの
・効果、副作用の説明で使われる数字は可能性である
・あなたの病状によって、数字が変わる事を理解された上で参考に
といった事が書かれています。
※あらゆる資料は、一般的という事が前提条件ですから、個人としては、自己観察
と勉強を継続して、主治医と相談という事になるのかと思います。限られざるを得な
い診察時間の、友好にして有効な活用を計画する事も、楽しまないと。
別の資料で見つけた数字・グラフです。少々古いです。
〇進行・再発大腸癌化学療法の進歩 2008年 (国立がんセンター 山田康秀)
メディアを対象にしたセミナーの資料から
生存期間中央値(OS)が読み取れます。
L-OHP/5FU持続静注 JCO2004
CPT-11/5FU急速静注/アバスチン→L-OHPレジメン NEJM2004
Any化学療法/アバスチン ASCOGI 2007
Any科学療法/アバスチン→増悪後のアバスチン継続療法 ASCO 2007
※自分の受けている治療法に関連したものだけを調べて出しています。
10年以上、時間は経過していますし、選択可能な薬剤、療法も増えています。
自分に関連したものだけの数字です。
病院によっても、治療環境は違いますし、一人ひとりの病状、体質に合わせて
選択される療法も違います。
地方の病院で治療中の、自分という患者のために勉強したものです。
私は、そう遠くはないうちに、次の療法の相談をする必要が出て来そうなので
取りあえず、相談・判断の材料準備です。慌てる前にまず準備。何せ、石橋を
叩き壊しかねない性格で・・・。叩き壊さない様に準備しようという小母さんです。
(笑)
対象が自分の病気の事とはいえ、仕事に関係しない知識・資料探しは、純粋に
興味が魅かれるという所がありますね。
仕事の時は、趣味の読書や美術鑑賞でさえ、どう仕事につなげられるかと考え
てしまいましたが、それからは、解放された、半分隠居の小母さんです。
弥生望月
夕方が、最も大きく見えました。橙色でしたが、上るにつれ、引き締まって
しろがね色に。