本日も、曇り空です。富士の御山は見えません。

天気の分類からすると、多分、晴れなのだと思いますが。

 

先日の診察は、外来で待っている人も少なく、多少、ゆったりと主治医

と話をすることが出来ました。

CT検査の後ですから、主治医も、更に慎重になる診察かもしれません。

 

最近、はたと気付きました。

CTの後、呼吸器の医師に診察をして貰う方が、毎回、日程的に先にな

りますので、CTの結果については、主治医より先に、呼吸器の医師か

ら伺うパターンになっています。

転移先の中でも、最も気になるのは肺ですから、これは、いい順番かな

と思っています。呼吸器の専門医の見解を聞いてから、主治医と話す事

が出来る訳です。

 

呼吸器の医師との話から、自分の現在を認識します。

医師との会話の中で、この方は、抗がん剤が劇的に効いて(確率からする

高いとは思えません。まあ、ほぼ、無いに近いかも。)、手術可能な場合も

考えて下さっていた様に思えました。

 

患者の私の方が、「いやあ、私の場合、無いなあ。」と思っていたという状態

です。複数リンパ節に転移していますから、肺と縦隔リンパ節の転移を取っ

たとして、その、メリットとデメリットは?等と考えていたからです。

他のリンパ節転移もありますし、体力的な問題も出て来ますから。

 

転移性肺腫瘍と縦隔リンパ節の手術例がある事は知っていました。

正に、癌は、個人によって違う千差万別の世界です。

「この、患者さんには、手術する事のメリットが大きい。」「手術する事でのメリ

 ットを、患者として得たい。」

という医師と患者の、両者の緻密な話し合いの結果、手術が選ばれる事があ

るのだと思います。

 

がん治療、癌の切除に経験豊富な医師がいる、医療設備の充実した病院で

ないと、まず、無理なのではないかと思います。

 

ガイドラインに「推奨」はされていないので、今は、一般的な手術ではないの

だろうとも思います。

 

「大腸癌治療ガイドライン(2016版)」の (関係が有りそうな所を抜き出しま

 した。ガイドラインは、大腸癌研究会で公開されています。他にも公開してい

 る所があります。)

 

2  StageⅣの治療方針のコメント には

③肺転移を伴う場合

 ・転移巣が切除可能であれば、原発巣切除のうえ、肺転移巣切除を考慮する。

⑤遠隔リンパ節転移を伴う場合

 ・遠隔リンパ節の転移の切除を考慮してよいが、明確な治療効果は示されて

  いない。

 

3 再発大腸癌の治療方針  の中に、

 ・再発臓器が2臓器以上の場合、それぞれが切除可能であれば切除を考慮

  してもよいが、治療効果について統一見解は得られていない。

 

2)肺転移の治療方針 の

   肺切除の適応基準   その中に

   (4)肺外転移がないか、制御可能

 

 ・耐術不能な場合でも、原発巣と肺転移が制御されているか、制御可能で、

  5㎝以内の肺転移個数が3個以内であれば体幹部位定位放射線治療も考

  慮する。

 

とあります。今は、医師と患者の緻密な話し合いの中で、治療が積み上げられ

ている段階なのでしょう。

治療法は進化し、変化していくものだと思いますし、一人ひとりの患者にとって

最適な治療は違って来ると思います。医師の説明に使われる「ケース・バイ・ケ

ース」という言葉通りという事になるのでしょう。

 

肺転移と縦隔リンパ節の両方に手術を行った手術例は、まだ、少ない様です。

手術例の報告について書かれたもので、読めるものは読んでみました。

 

 

上記に書いたような事も、主治医に話して、質問に答えて貰ったのですが、

その中で、冗談として、私は、笑いを含みながら、

「先生(主治医)の方から、セカンドオピニオンは受けなくていいですかと

 3回聞かれましたので、調べてみました。」

と、お話しすると、主治医も、笑いを含みながら、

「いやいや、今は、こんなものですよ。患者さんの方から、セカンドオピニオン

 の話は、しづらいでしょう。」

と仰っていました。

 

その後、真面目に、

「セカンドオピニオンを受けたいとか、他の治療について知りたいと、○○さん

 が決めたら、何時でも紹介状、書きますよ。」

とも、言ってくれました。私は、

「長ーく、記録になるぐらい、○○先生に、お世話になりたいと思っています。」

と答えました。

 

診察の中で、毎回、聞かれる一言。

「食事はとれていますか。」の質問に、

「抗がん剤治療の後の数日は、食事をとるのは大変(気持ちが悪いので)

 ですが、それを過ぎると、もう、本当に癌患者かってぐらい、食べられて、

 食べられて困っています。詐欺師になった気分です。」(同じ様なことを、プログ

 に書かれていた患者さんもおられます。)

と、答えると、

主治医は文字通り笑っておいででした。

(遂に、主治医も笑わせてしまった!やったあ!何をしに病院に行っている

 んでしょう?私は。

 主治医は、笑ってくれたのかもしれません。笑。)

 

この日は、成長してしまった新顔の肺の小結節の存在から、抗がん剤に耐性

が付いたであろう癌細胞の話や、薬剤変更のタイミングの事等、結構、深刻

な話題も話したのですが、質問して答えて貰ったり、先の展望も話したりで、

淡々と、それなりに深刻な話をする、主治医と患者でした。

 

主治医は、慎重に言葉を選ぶタイプかと思います。私の様に、言葉にうるさい

(言葉の選択、取り扱い方、言い方、意味が分かって言ってます?等)小母さん

には、有り難いタイプのお医者さんなのです。

 

「小さくなあれ。と癌に言い聞かせて、過ごす事にします。」と主治医に話し、

診察のお礼と挨拶を言って、化学療法室に向かいました。

 

花は春

水仙、拡大図。