「覚醒剤やったの間違いない」逮捕の赤坂容疑者


都内などで覚醒(かくせい)剤を使用したとして、千葉県警薬物銃器対策課などは29日、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで、元アイドルグループ「光GENJI」のメンバー、赤坂晃容疑者(36)=東京都立川市若葉町=を逮捕した。赤坂容疑者は「(覚醒剤を)やったのは間違いない」と、容疑を認めているという。 同課の調べによると、赤坂容疑者は今月中旬から28日までの間、都内などで覚醒剤を使用した疑いが持たれている。 同課などは今月26日、同法違反容疑で70代の男を逮捕。男が最近滞在していたという新宿区内のホテルの1室に家宅捜索に入った際、部屋に赤坂容疑者が知人女性と2人でいたという。その後、同課が赤坂容疑者から任意で尿検査を行った結果、陽性反応が出たため逮捕に踏み切った。赤坂容疑者は、尿検査や事情聴取には抵抗することなく応じたという。 赤坂容疑者は平成19年10月、東京都豊島区の路上で覚醒剤を所持していたとして、同年11月に同法違反(所持)の罪で懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受け、執行猶予期間中だった。


覚醒剤は「あぶりでやった」 赤坂容疑者が供述


都内などで覚醒(かくせい)剤を使用したとして、千葉県警薬物銃器対策課などが29日、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕した元アイドルグループ「光GENJI」のメンバー、赤坂晃容疑者(36)が「あぶりでやった」などと供述していることが分かった。2年前に保釈されたときの赤坂容疑者 反省はどこへ… 同課の調べによると、赤坂容疑者は今月中旬から28日までの間、都内などで覚醒剤を使用した疑いが持たれている。同課などは新宿区内のホテルの1室に家宅捜索に入った際、部屋に赤坂容疑者が30代の知人女性と2人でおり、赤坂容疑者から任意で尿検査を行ったところ陽性反応が出たという。


「白紙になった」赤坂容疑者の新店オープン


覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された元「光GENJI」の赤坂晃容疑者が経営する「ルクソール」では午後8時ごろ、店のドアに「当店の従業員が不祥事を起こし、多大なご迷惑をおかけしたことをお詫(わ)びいたします」との文書が張り出された。年内は30日まで営業予定だったが29、30日は休業し、「1月5日より、全く新しいメンバーで営業いたします」としている。店は予約制で、スタッフは予約客に断りの電話を入れるなどの対応に追われた。同級生だった男性従業員は、近く赤坂容疑者と2人で歌舞伎町内に別の店を出店する予定だったといい「これで白紙になりました」と肩を落とした。


執行猶予中も「あぶり」!元・光GENJIまた覚せい剤


千葉県警薬物銃器対策課と市川署は29日、覚せい剤取締法違反(使用)の疑いでアイドルグループ「光GENJI」(95年解散)の元メンバーでカラオケバー経営、赤坂晃容疑者(36)=東京都立川市=を逮捕した。赤坂容疑者は07年11月に同法違反(所持)の罪で有罪判決を受け、執行猶予中だった。判決では「二度とこのようなことはしない」と述べていたが、約2年で誓いを破ってしまった。 芸能界の薬物事件に揺れた09年は、年の瀬まで逮捕者が続いた。 29日夜、ワゴン車で市川署に移送された赤坂容疑者は野球帽にグレーのパーカ姿。後部座席で横向きにほおづえをついていた。 逮捕容疑は今月中旬から28日までの間、都内またはその周辺で覚せい剤を使用した疑い。県警によると「使用したことは間違いない」と供述、容疑を認めている。 市川署が、覚せい剤取締法違反容疑で逮捕した70代の男の滞在先として東京都新宿区のビジネスホテルの部屋を28日に家宅捜索した際、赤坂容疑者と知人女性がいた。2人の尿検査を行った結果、赤坂容疑者に覚せい剤の陽性反応が出たことから、29日夕、経営する同区歌舞伎町のカラオケバー「ルクソール」で任意同行を求めて逮捕した。

 赤坂容疑者は「あぶりという方法で使用した」と供述。しかし室内に覚せい剤を使用するための道具がなく、使用場所や時期については話していない。県警は30日にも自宅や同店などを家宅捜索する。 「ルクソール」は10月5日に開店し、アイドル時代からのファンを中心ににぎわっていた。赤坂容疑者の高校の同級生で同店従業員の男性は「28日夜も一生懸命働いていた。(覚せい剤使用の)気配は全くなかった」と話した。1カ月ほど前に来店した女性は「ちょっとテンションがおかしかった」と振り返った。 赤坂容疑者は07年10月28日未明、東京都豊島区の路上で覚せい剤約0・6グラムを所持し、現行犯逮捕された。当時の所属先のジャニーズ事務所は同29日付で解雇。11月21日に東京地裁が懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。 私生活では01年11月に堀越高校時代の2年先輩で元OLの女性と結婚し02年6月に長男(7)が誕生。しかし07年3月末に離婚したことが、逮捕後に発覚。長男の親権は元妻が持った。 07年4月ごろから7、8回使用したといい、公判では「子供に会えないつらさから逃げるためだった」と動機を説明。再犯の可能性について「絶対ない」と誓っていた。






久しぶりの詩織です。。。


いきなりだけど…

ね、ボクが前に話したとおりになったでしょ。


覚せい剤から抜け出すのは容易じゃないの…。

挫折の連続だもん。


だからこんなニューにはまったく驚かない。

逮捕された人が芸能人だから大騒ぎするんだろうけど。


一度、シャブの味を覚えた人がそう簡単にやめられるわけない。


「もう二度と手を出さない!絶対にやめる!」


って心の底から誓ったってあっという間に崩れ去る。



こういう記事のなかでよく「反省してない」などと書いてある。

ボクからすれば馬鹿?って思う。反省してるって。きっと。

普通の人間が逮捕されて反省しないわけないじゃん。

でもね、その反省を上回る衝動にかられるんだよ。

覚せい剤が欲しい!やりたい!って抑えられなくなる。

気がつけばまたやちゃってる。それが覚せい剤。


変な言い方かもしれないけど、、、


「じゃ、あなたがシャブ覚えたとして…すぐにやめられるの?」


って聞きたい。


てか実際にお手本を見せてほしい。


なぜ同じ過ちを繰り返すの?なんて軽々しく言わないでほしい。

なんも知らないくせに。経験したこともないくせに。


…覚せい剤に手を出した人間がいけないんだろうけど。

でも誰だって人間の屑になんてなりたくないよ。


どんなに立派な人でもボロボロに堕ちていくのが覚せい剤。


手を出してしまった人間を非難するばかりじゃなくて、

なんでそうなっちゃうのか?の現実をちゃんと知ってほしい。




ボク、来年、結婚する予定なの…。

幸せになりたいって思ってる。大好きなあの人と一緒に。


ちゃんとやめなきゃ。ちゃんとやめなきゃ。



だけど………

みんな苦しんでるんだね。




人生を台無しにする麻薬…

なにもかもがメチャクチャになっちゃう…


失うものが大きすぎる。多すぎる。


なのに、、溺れちゃう。虜になっちゃう。




地獄だよ。ほんと。


麻薬は全部、死の薬。



覚せい剤も、MDMAも、ケタミンも。みんなおんなじ。

大麻だって一緒。

コカインやヘロインや…いろんなお薬があるけど…結局同じ。


結末は、悲惨なだけ。








麻薬は、一度手を出してしまえば一生の闘いなんだ。

ずっとずっともがき苦しむんだ。死ぬまで。


いや…薬物に手を出した時点で、、死んでるのかもしれない。。




なんとか生きてる。


ギリギリ…寸前…いろんな意味で。。。



もおだめ…ってとこで手をさしのべてくれる…

崩れ落ちそうになるボクをいつも助けてくれる人がいる。


挫折ばかりのダメ人間なのに。


ん?てかボク、、ちゃんと人間なの?……不安になる。



まあいいや。この際どっちでも。(苦笑)



死んじゃえばいいのに。ボクなんて。

生きてる価値まったくなし。



でも、

それでも、


見捨てずにいてくれる人がいる。








ほかに誰か好きな子を見つければいいのに…。

ボクなんかさっさと棄てればいいのに…。



バカみたい。



『詩織の幸せが俺の幸せ』とかゆっちゃって。呆れる。



何度一緒に泣いたんだろ…

どれほどの涙を二人で流したんだろ…


その悲しみはぜんぶボクのせい…


同じ泣くのなら…嬉し涙を一緒に流したいのに…




そんなことを思いながら、、、

今日も左手の薬指に輝く婚約指輪を眺めてる。。。

いまさ、めっちゃ悪戦苦闘してるよー。(苦笑)


シャブと縁切りするために、、、

携帯に登録してある売人の番号を消そうと試みるんです。。。



何度も。



携帯を手にとって電話帳検索…

売人の番号を見つめる…

メニューボタンを押す…

「削除」を選択して…






『削除しますか?』


『はい』 『いいえ』






はい…はい…はい…はい…


はい、、、だよ……



「はい」を押しちゃえ!!!押して!!!てか押せっ!!!







もお少し…もお少しなんだから……


お願い…押して…



















―――――キャンセル。





は?何してるの?



消すんじゃなかったの?






もっかいチャレンジ。。。






繰り返し。ずっとこの繰り返しなの…。


なにしてんの?


バカみたい…


何度も何度も同じことしてる…




しまいには…


指が勝手に…


「削除」選択しないで「発信」選択する…




コールしそうになるまえ、、、ギリギリで「終話」ボタン…。




え?なにしてんの?




削除するどころか電話しそうになってるじゃん!!!



今、、何しようとした?



売人にコールしてどうするの?


「これから大丈夫ですか?エスほしいんだけど…」


とかいうつもり?


あの片言の日本語を使う妙に優しい口調の外国人と話すの?


「ダイジョ、ブヨ!イ、イ、クツホシイ?ド、ド、レクライ、デクル?」


「ふたつちょうだい…

30分くらいで行くよ…場所はいつもんとこだよね?」


とか会話して、、

胸が高鳴りながらスッピンで帽子深くかぶって出かけちゃうの?


で、しっかりネタをゲットしちゃうの?


パケを包んである小さく折りたたまれたアルミホイル。

ポケットの奥深くで握り締めながら鼓動が加速する。

脇目も振らず息を切らしながら足早に帰宅。


ドアの鍵も閉めず…脱ぎ捨てた靴はそのまんまで…

一目散にネタを確かめる…


シャブの結晶を眺める。


ご馳走を前に、もお我慢の限界。マッハでパケ開封。


あとは、、天国の世界へ。。。




だめ。


ぜったいダメだよ…もお。






頭の中では勝手にドンギマリモード。


覚せい剤のことしかなくなってる。



いまこーして気を紛らわすために打ってるキーボード。



意味なし。



苦しいよ…勝てないよ…



いますぐにでも電話をかけたい。




…………気持ちよくなりたいよ。。。








あれ…?







最初はプッシャーの番号を消すとかゆってなかった?



いまボクは何をしてるの?



こうやってブログ書きながら視界の中には携帯がある…。



いまボクは何を考えてるの?

今日は「trip ecstasy 」ではありません。「fancy diary 」です。

もう冬ですねー。寒い寒い寒い。いやあ寒いです。

寒い=冷たい。冷たい=エス。となってしまう詩織です。(苦笑)




なんかいまボケーとしてる。。。

合格発表の日……第一志望の学校に合格。涙がこぼれてた。



でも合格したよろこびでの涙じゃない…

あの日の出来事からずっと毎日泣き続けて…

この日も例外なく勝手にあとからあとから涙があふれてくる…


ナオトの姿はない。


あれ以来二人で勉強することはなく、

会っても知らない人同士のような関係が続き、

遠慮してかナオトはボクとは違う学校を受験していた。


頬をつたう涙を拭いながら独りきり…

思い出したくもない出来事を回想しながら…

合格者番号が記載されている掲示板の前で立ち尽くしていた。



晴れて高校生活がスタート。男女共学の進学校。

緊張しながらの初登校。自分の教室へと向かった。


軽く深呼吸をしたあと…

思いきってクラスのドアをくぐるとフランクな雰囲気。

堅苦しいイメージを想像してたボクはホッとしていた。


数ヶ月が経過すると学校にも慣れはじた。

仲の良い友達も数人。気になる男の子もできた。(笑)


まさに順風満帆。


気がつけば涙を流す日々から笑顔がもどりはじめ…

過去の悪夢がまるで現実じゃなかった気さえしていた。


「ねーバイトしてみない?

学校には内緒でさ、一緒に頑張っちゃおーよ♪」


親友のエミだった。


アルバイト?一瞬、驚いたけど魅力的な響きがした。

大人な感じがしたからだ。


ボクは少し考えたあと、この提案に賛同した。

校則は厳しかったけど…学校外の刺激に惹かれた。


はじめたアルバイト先は宅配ピザ店。

配達係ではなく、厨房でピザを焼く仕事。


楽しかった。もちろん勉強はちゃんとした。

ボクとエミは学年でも成績は常に上位だった。


すべてが上手くいってた。

青春って感じで毎日が新鮮で楽しくて。

いつだって笑顔があふれてた。


……………夏休み前までは。



連日の猛暑。学校は夏休み。

バイトバイトに明け暮れていた。


とある週末の夕方…お店は大忙しだった。

次から次へと注文が入り、配達が追いつかない状態。


「ごめん!申し訳ないけど配達行ってくれる?

歩いて5分のマンションなんだけどデリバリーお願いっ!」


店長からボクへの配達指令。

バイクの免許はなくても徒歩で行ける距離。

何の抵抗もなく集金用のウエストポーチを腰に巻いた。


ウォーマーにはラージサイズのピザが2枚。

なかなか重いなあ…などと思いながらも現地到着。

オートロック式の綺麗なマンションだった。


「ご苦労さん!!!」


大きな声と同時にドアが勢いよく開いた。


甘いフレグランスの香り……


「あれ!?詩織ちゃん???」


聞き覚えのある声。包まれたことのある香り。


ナオトのお兄さんだった。

呆然とした。


「な、なんで………」


硬直しながらか細い声を漏らした。


「ひっさしぶりだなーっ!元気だった?

ここさーダチの家!今日は仲間らと騒いでんだよ!」


奥に目をやると…煙が充満して部屋が白く見えた。

見るから怖そうな人が数人。

そのなかの一人がこっちへきた。


「おーお姉ちゃん可愛いじゃん♪一緒にピザ食べようよ♪」


いきなり強引に腕を掴まれた。すると、


「こら!やめろや!これな、オレの女!!!」


耳を疑った。この人なにをゆってんだろって。

女?オンナ?え?ボクのこと?みたいな。

自分をレイプした人が目の前で彼氏宣言してる。

愕然としながらも必死に冷静さを保ち会計を済ませた。


「バイト何時あがり?

終わったらそこのファミマで待ってろよ♪」


え?ボクは言葉に詰まった。


「な!必ず来いよ!バックレたら…ぶっ殺しちゃうかも♪」


笑顔で脅迫。優しい声で恐ろしい言葉を並べた。

血の気がひき…呆然としながらもその場を立ち去った。

そのあと店に戻ってからは失敗の連続。

包丁で指を切っちゃったり、オーブンで火傷したり。


怖くて怖くて…身体が小刻みに震えた。

走馬灯のように悪夢がよみがえってきた。


「どしたの?詩織だいじょぶ?」


心配そうな面持ちでエミが声をかけてくれた。

無言でうなずくだけしかできないボク。

助けて…助けてよ…心の底で何度も連呼してた。


タイムカードを打刻し息をのんだ。


逃げよう…そう思いながらも…

気がつけば指定されたファミリーマートに着いてた。


途方にくれ雑誌コーナーでたたずんでいると、

心臓の音が耳鳴りのようにドキンドキンって響いてくる。


どうしよう…どうしよう…どうしよう…

頭の中では「どうしよう」の大合唱だった。


「お待たせえ!!」


ガラの悪い人達と一緒にナオトのお兄さんが現れた。

ものすごくハイテンション。

店員さんや店内のお客さんが怖がるほどに。

もちろんボクはそれ以上に恐ろしかった。


「行くぞー!」


無理やりボクの肩に腕をまわすと表に出た。

一体どこに?これからボクはどうなるの?不安だらけ。

いや、不安や心配という類いじゃなく恐怖そのものだった。


「パーティーだ!パーティーだ!」


お酒で酔ってるわけではない。それはすぐにわかった。

異様な雰囲気。逆らったら……。


ボクはピザをデリバリーした部屋に連れてこられてた。

抵抗なんかできるはずもなく…黙ってソファに座っていた。


テーブルの上には、小さなポリ袋が散乱している。

袋の中には蝋石を砕いたような白い粉と塊が見える。

そのポリ袋を指差しながら…


「これなにかわかる人ぉ~~~♪」

「はあああぁ~~~~いっっ♪」


陽気な集団?いやそんなんじゃない。

その光景はまるで異常者の集まりだった。


「おいおい…可哀想じゃねーかあ~

詩織ちゃんをハブにしちゃいかんだろ~♪」


「そろそろ彼氏の出番じゃね?」


一斉にボクへ視線が注がれる。

忘れ去られた状態でほんの少しホッとしていたのに。


「なあ詩織ぃ~どーする~♪

打つ?吸う?飲む?塗る?どれにするぅ~♪」


意味がわからない。ただ怖い、それだけだった。


「初心者だろーし、いきなり刺身じゃキチーだろ♪

最初は、やっぱ炙ってあげちゃえば♪ごっくんでもいいし♪」


さらに意味がわからない。みんなは終始含み笑い。

ボクは生きた心地がせず、ただただ経過を見守るだけだった。


「お~し♪んじゃアルミホイル持ってこーい♪」


おもむろにポリ袋手に取り、隅の部分をハサミで切った。

ホイルの上にコロンッ…と結晶の欠片ががいくつか落ちる。

その結晶をハサミの先で軽く砕いている。


「完成~♪さあ~いってみよーかあー♪」

「詩織たんキメキメターイム♪」


ボクの手に短く切ったストローを握らせ…

目の前に白い粉ののったアルミホイルを差し出した…


「パイプ咥えてごらん♪」


無理やりストローを唇に押し当てられた。


「今から煙があがるからその煙を一気に吸い込め!

一気にな!もったいねーからちゃんとぜーんぶ吸えよ!」


ライターの炎がアルミホイルの下へと近づいてくる。



ジュジュ―――――ッ★



結晶が焼け溶ける音と同時に白い煙が立ち昇る。

言われるがまま…一気に煙を吸い込んだ。


「ゲホゲホッッッ!!!!!!」


咽た。思いきり咳き込んだ。

タバコすら吸ったことのないボク…当然だった。

苦い…とにかく苦くて…口のなかは変な味が充満した。


「ぎゃっはっはっは♪♪♪」


みんなは大爆笑しながらボクを指さした。


「まー最初はしょーがねーよ♪

ささ!どんどん、がんがん、いってみよー♪」


それから数回、強制的に白い煙を吸わされた。

何度も何度も咳き込んだ。咽て咽て…。

煙くて苦しかった。苦くて吐きそうだった。


だけど…気がつけばある感覚に包まれていた。


苦痛じゃない…


恐怖じゃない…


上手く表現できない…


なんだろ…このフワフワした感じ…


自分の鼓動が心地よく感じられる…


なにもかもが溶けてゆく…なんにも考えられない…



ボクはソファーにもたれかかりボーっと天井を眺めていた。。。

クリスマス・イヴ。



受験生ながらもすごく楽しみにしてた。

毎年家族ぐるみでやってたパーティには参加しないのに。


理由はもちろんナオトと一緒に過ごすから。

勉強を一緒にするだけなんだけどそれでも楽しみだった。


もしかしたら……

ひょっとしたら……


なーんてちょっとした

思春期ならではの妄想なんかもしたりして。(笑)


当日、ケーキを準備してナオトの家に向かった。

いつもよりちょみっとだけオシャレして。ルンルン気分で。

勉強のことなんてまるで頭になかった。


到着。


チャイムを鳴らす。


1回…2回……誰も出てこない。


今一度、チャイムを鳴らす。………応答なし。


も一度チャイムを…と思った瞬間、扉が勢いよく開いた!!


そこに立ってたのは、ナオトのお兄さん。


「おー詩織ちゃんだっけか?ナオ?」


数日前に会ったときと同様、ものすごくフレンドリー。

優しい笑顔に優しい声。


「いまアイツ買物行ってるよ!すぐに帰ってくるけどな!

まーとりあえず入れよ♪外はさみーかんなー!」


一瞬、躊躇したけどお兄さんの勢いに流された。



ナオトの部屋。なぜかお兄さんと一緒。

見慣れたはずの部屋なのに初めて入った感じがした。


「今日はイヴだな!雪とかふんねーのかなあ…♪」


変な空気はまったくなかった。

お兄さんが適当な雑談をしてくれてたから。

でも唐突な質問をされた。


「詩織ちゃんはさ、もお経験済み??」


最初ボクは意味がわからなかった。

けど、ニヤニヤしてるお兄さんを見て意味を理解した。

恥ずかしい…そんな気持ちがありながらも答えた。


「あ、まだです…」


すっごく小さい声でボソッと。

するとお兄さんは大笑いしはじめた。


「んだよ~ナオのやつ奥手だなあ~

そっかそっか~まだなのかあ~しょーがねーなあ~」



!!!



なにが起こったのかわからなかった。

目は開けたまんまだった。意味がわからなかった。


ボクの口の中に柔らかい物体が…

ボクの唇周辺はチクチク…


タバコの味がした。身体はとても優しく拘束されてる。


ファーストキス。


突然すぎだった。心の準備とかする暇なんかなかった。

身体に力が入らない。というより力が抜けてゆく。


あれだけ饒舌に冗談まじりで雑談をしていたお兄さん…

人が変わったように言葉は影をひそめひたすらキスを繰り返した。


されるがまま。ボクはされるがままだった。


大きな身体…太い腕…

とても力強くて抵抗なんかできなかった…


とうとうお兄さんはボクのブラウスのボタンをはずしはじめた。

不思議と恥ずかしさを感じない…目はずっと閉じたまま。


ガチャッ!


部屋のドアが開いた。

目を開くとそこにはナオトが呆然と立ってた。


「おい!なに勝手に開けてんだ!あっち行け!ボケが!」


突然の怒号。

帰宅したナオトに対するお兄さんの言葉だった。

まさに豹変。優しい雰囲気の面影はまるでなくて。


ガッチャン…


静かにドアが閉まった。

ナオトの部屋なのに無言で立ち去った。

お兄さんを部屋に残して…。ボクを置き去りにして…。


「ごめんな…大きな声だしちまって…」


打って変わって急に優しい言葉を耳元でささやかれた。

髪を優しく撫でられた…優しくキスされた…



ボクは突如、我にかえった。なにしてんの?ボクは一体?


一気に頭が回転しはじめる。

状況を把握してゆく。


今、自分は何をされているのか?どんな状態なのか?


急に怖くなった。身体があからさまにガタガタと震えはじめた。

自分では抑えられないほどに震えて震えて…


「だいじょーぶ…平気だから…大丈夫だから…」


柔らかい声で囁きながら優しく髪を撫でる手を振りはらった。

僕なりに力一杯、抵抗をはじめた。


「おねがいします、やめてください、やめてください…」


すると…


「おめーさ、オレを怒らせんなよな…

ここまできて我慢できると思うのか?無理だろーが……な?」


すごい迫力だった。本気で怖かった。

震えはさらに酷くなった。でも精一杯抵抗を続けた。


「テメーいい加減にしろっ!!!」


ナオトに対しての怒号より怒号だった。

一気に身体が硬直した。殺される…そんな気さえした。


ボクは抵抗する気力を完全に失ってしまった。

放心状態。ただただ恐怖心だけが自分のなかにあった。


楽しみにしてたクリスマス・イヴ…

無我夢中でボクの身体を弄ぶお兄さん…

優しさの欠片もなく…乱暴に…激しく…ボクは犯された。。。

はじまりは些細なことだった。



そのときのボクは中学三年生で好奇心が旺盛…

人と同じがイヤでなんにでもことあるごとに抵抗してみたり。


でも今考えれば純粋だった。


受験を控えていたこの時期…

同じクラスで隣の席だった男子(ナオト)と仲良しだった。

第一志望が一緒だったことで話題が共通だったから。


実はナオトのお兄さんは某ギャンググループの幹部メンバー。

すごく怖い人だという噂は聞いていた。

だけどボクは大して気にしていなかった。

なぜならナオトはスポーツマンで全然不良じゃなかったから。

お兄さんに会ったことなかったのもあるかもしれない。


…素直になろう。

正直にゆってしまえばボクは初恋をしてたのかも。

いや、してた。間違いなくナオトを好きだったと思う。(笑)


でも………

この恋心がまさかあんな事件に発展するなんて…。



夏休みのこと…夏期講習の帰り道、ナオトと一緒だった。


「これからウチ来ない?一緒に勉強したほうが捗るかもよー♪」


嬉しすぎるお誘い。

受験生であることに初めて感謝したくらいで。(笑)


それから毎日のように塾の帰りは必ずナオトのウチへ。

両親共働きで二人とも帰りは深夜。お兄さんはいつも不在。

ボクはナオトの部屋で二人きりでお勉強。


でも思いのほかガッカリだった。


なぜって…

ナオトは勉強に集中しまくりでボクのことなんて眼中なし。

話す内容はきまってテキストのことか試験に関することばかり。

笑ったりしながらの楽しい会話は全然なくて。

受験生だから当たり前なんだけど。(苦笑)


でも、ほっとかれてる感がとても淋しくてイヤだった。


あるときボクは思いきって質問を投げかけてみた。


「ナオトは、好きな子とかっているの?」


ナオトにとっては突拍子もない質問だったと思う。

けど、ボクにとってはいつも頭の中を駆け巡ってたこと。

当然といえば当然。勉強よりも一番の関心事だった。


「いきなりなに…」


驚いたとゆーより少し照れてる様子のナオト。

え?まさか…ひょっとしてボクのこと意識してくれてる?

心臓の鼓動が早くなった。ドキンドキンって。

急に恥ずかしくなったボクはナオトの顔を直視できない。

下なんか向いちゃって…きっと赤くなってた。


「いるよ…好きなやつ。………気づいてんでしょ?

ぶっちゃけ好きでもないやつと一緒に勉強したりしねーし…」


ボクは恐るおそるナオトに目をやった。

するとナオトはボクへの視線を一瞬はずした。

と同時にいきなりボクのオデコにキスをした。


頭んなか真っ白!!!


必死で覚えた単語や方程式が全て消去される勢い。

なにがなんだかわかんなくなるほどに焦った。


「オレのこと嫌い?それとも好き?」


順序逆じゃない?好き嫌いを確認してからでしょ…キス。

と変なところだけ冷静だった。(笑)


「だいすき………」


聞こえるか聞こえないかくらいの微かな声でボクは伝えた。

するとナオトは照れながらもボクを抱きしめてくれた。

なんかとっても恥ずかしかったけど本気で嬉しかった。


だけど…これが悲劇のはじまりだった。



この出来事があってから二人の距離は確実に縮まった。

クラスの子たちからも噂されるほど。

オデコへのキスからは進展してはいなかったけど。

それでもボクは毎日が輝いてて幸せだった。


クリスマスを前にした寒い夜のこと。

たしか21日だったと思う。


いつも通りナオトのウチで二人で勉強していると・・

もの凄い勢いで部屋のドアが開くと同時に大声がした。


「ナオ!いるかー!」


大柄で強面。髪はワイルドに長くて髭をはやしてる。

一気に香水の臭いが部屋中に漂う。不思議な甘い香り。

ナオトのお兄さんだった。


「お?客?」


ボクを凝視する。

噂を知ってたボクは目をあわせられない。

とっても怖かった。


「あ、同じクラスの子…」


なんだかナオトはボク以上に脅えている様子…

すごく小さな声でボクを紹介した…

「彼女」ではなく「同じクラスの子」って。ショックだった。


「あ、あの…はじめまして…

ボク……ナオトくんと同じクラスの詩織です……」


緊張とゆうより超ビビッてた。

「おお詩織ちゃんかあ~♪よろしくな~♪

てかなんで詩織ちゃんは『ボク』なわけえ~?ウケル♪」


ものすごくフレンドリーな笑顔。優しい声。

強面なだけにギャップがすごかった。

少しだけホッとしたのを覚えてる。


随分と急いでる感じだったお兄さんは、

ナオトに貸していたCDを受け取るとすぐに出て行った。


面白い人。そう思った。

すっごく怖い人だと思ったはずなのに…。



でも、この出会いがボクの人生を変えた。。。

この世界にシャブ中になりたい人なんているのかなあ。


…いないよね、きっと。誰だって人間でいたいわけだし。

でも、手を出しちゃう。(苦笑)


なんで?


……理由なんてないのかも。

気がついたら虜になってた…みたいな。


最初はほんのちょっとしたきっかけなんだと思う。

友達に誘われてとか好奇心でとか。


目の前の現実がまるで別の世界の出来事…

テレビや映画を見ているような感覚。


自分自身が足を踏み入れた世界が…

まさか地獄だなんて思ってもみないのだから。


でもね、この地獄…キマッテルときには天国なわけ。


不安なことや心配なことなんて全部が吹き飛んじゃう。

精神的にも肉体的にも1000%解放されちゃう。

まさに禁断の泉。快楽がとりとめなく溢れ出てくる。


キメタことのない人にはわからないだろなあ…

ドンギマリな感覚や状態なんて。(笑)


あれを経験してもいない人間が、

「やめるべきだ!」と言ったところで説得力はまるでないもん。


もちろん「やめるべき」なのは本人が一番自覚してる。

その証拠に、毎度ネタ煽るたんび…


『今回が最後!!!』


と決めてたりする。(笑)


笑えるでしょ?最後最後………で数年みたいな。(苦笑)


やめれるもんならやめてるよ…誰だって。

でもなかなか縁を切れない。

てか気がついたときにはイジッてるんだよね。


困ったもんだ。ほんと。


ただね、よく勘違いしてる人がいるんだけど…

数回の使用でいきなり「シャブくれ~」みたくはならない。うん。

つか最初から自覚できる禁断症状とかないし。


たいがいキメタあとはシャブ抜きをする。

サウナやお風呂で汗を思いきりだしたりして。

すると猛烈な食欲が襲ってくる。

大して食べれないのに頬張ったりして。

…吐いたりもするけど。(苦笑)

でムチャクチャな睡魔が襲撃してくる。

で泥のように眠る。

するとあらビックリ。サッパリしてるじゃん。

なかなかの爽快感。(笑)


そこで思うわけ。


「あれ?なんか全然大丈夫だあ。。」


って。


でも、ここが怖いところなんだと思う。

ホッと妙な安心感が芽生えたりして。

覚醒剤は精神的な依存がとっても強烈…

肉体的に激しい禁断症状はでないから逆に恐ろしい。


確実に精神を病んでいってるのは間違いないから。


だって…

自分でシャブをコントロールしてるつもりでも、

いつしかシャブにコントロールされてるんだもん。


気がつかないふりをしながら…

心のどこかでちゃんとわかってる。


あ、自分の意志とは関係なくシャブを欲してるって。


でも止められない。やめられない。

あの目まぐるしい多幸感。衝動を抑えられない。

引き込まれてゆく。流されてゆく。

どんどんと…奈落の底まで。


元には戻れない。いや違う…戻りたくない。

そんな錯覚すら覚えてしまうほどに夢中になってしまう。



あれ?いつの頃からだっけ…こんなになっちゃったのって。。。

すぐに汗をにじませる手のひら。微妙にふるえてる。



綺麗に折りたたんだアルミホイル…

その上に気を落ち着かせて丁寧にパケからネタをのせる。


この瞬間ほど緊張感高まることはない。

素晴らしすぎる集中力。

胸が張り裂けんばかりの高揚感。


そっとホイルの真下から慎重にライターの火をつける。

大切な大切なネタが…

焦げないように、気化してムダにならないように。


ホイルで巻いたパイプを咥えながら高鳴る鼓動。


ジュッ!!


音がすると同時に妖しい白い煙が舞い上がる…

と同時にネタがのっているホイルを傾ける…

ガンコロが透明な液体となってホイル上を滑りはじめる…


勢いよく一気に煙を吸い込む。


息をとめる。


鼻から一気に煙を吐き出す。


背筋から後頭部にかけて…

鳥肌が立つ感覚がたまらない。まさに冷たいもの。


この時点で完全にスイッチが入る。シャキっと目が覚める。


ホイルの上で何度も何度も往復させる。


ネタを焦がさないように細心の注意をはらい…

溶けた結晶を繰り返しホイルの上をツーっとはわせる。


ライターの火力を微妙に調整しながら炙る。

大切なのは火とホイルの距離。バランスが重要。

そんなことを本能的に悟りながらひたすら炙り続ける。


無我夢中で炙る。


気がつけば数時間たっている。



あああ…たまんない。


何にも代え難い感覚。


まさに天国。


嫌なことなんてまるでないの。


無意味なまでに気持ちがいいの。


何もかもが最高にうつるんだー。感じちゃうんだー。

自分が自分でなくなる瞬間…

欲望に突き動かされるままに快楽に身をゆだねる。



ずっとずっと…永遠にこのまんまでいたいよ。。。