日本への一時帰国を順調に終え、

体力にも自信がついたので

バンコクで飲み歩いた翌朝。


少し頭痛、そして足腰がダルい、、、

二日酔い? 風邪? 


まあしばらくすれば治るだろう。


だが少し様子が違った。


下半身のダルさがどんどん増してくる。


立ったり歩いたりは比較的平気だ。


が、座って5分もすると、

なんだか腰の辺りがムズムズしてくる。


横になると益々おかしい。

頻繁に身体の位置や向きを変えないと、

ダルさが耐えられない。


いつもの腰の痛みとかとは違う。

グキッと鋭い痛みが走るわけでもない。

とにかく腰からふくらはぎ辺りまでが異様にダルくモアッとした痛さ。


タイに戻って急に気が抜けて、

途端に身体が悲鳴を上げたみたいだ。


悔しいが体力はやはり歳相応だったようだ。


夕方まで静かにしていたが余り変わらず。


どうも動いているほうが楽そうだし、

第一腹が減ったので出かける。


やはり歩いている方が楽ではある。

酒も肴も美味しいし、

痛みやダルさを和らげてはくれる。



が、座って1時間もすると段々つらくなって、

足を組み直したり、お尻の位置を動かしたりと、落ち着かなくなる。


おまけに傍にいた3人組の40前後の日本人が、

どうやったら簡単に大金を稼げるかみたいな話を、脂ぎったギラギラした顔で大声でやっててて、胸糞が悪くなった。


最近のバンコクは外国人観光客は沢山いたが、日本人の観光客は殆ど見ない。

日本人でよく見るのは、駐在員サラリーマンとその家族、そして老人。

他は、羽振りは良さげだが、ちょっと危ない感じの連中ばかりだったな。


早々に帰宅した。



横になるとやはり苦しい。

腰の重さも増してきた。


ウトウトしてもダルさで眠れない。

揉んだり叩いたりしても効果なし。

仕方ないので鎮痛剤を飲んだらやっと眠れた。


翌朝、薬が切れるとまたつらくなる。


ずっと筋肉の問題か神経の問題か分からなかったのだが、

薬が効いた事で神経だとはっきりした。


ならば対処は出来る。

少し効き目の長い鎮痛剤を飲み、

出かける。


よく行く喫茶店で様子見。


オッケー。効いている。


昼飯後に漫画喫茶へ。


日本で毎日漫画喫茶だネットカフェを利用したのだが、

寝るかせいぜいTVを見るだけで、

漫画を読む暇はなかったからな。


が、やはり6時間を過ぎると痛みが出て来た。


こうなったら最終手段。

プロキシカムを飲む。

30分過ぎるくらいで見事に効いた。


この薬は元々関節リュウマチ用の消炎鎮痛剤である。炎症を神経に伝える物質をブロックする。

そして半減期が50時間以上もあり長い。


なのでもし疲労による神経の炎症であれば、

今後2日間でその炎症が治まり完治するはず。


結果から言うと、

その3日後になっても症状は出ず快復した。


勿論少しは大人しくして休養をとったしな。


プロキシカムはギックリ腰や感染症のときにも助けられた。

ただ腎臓や肝臓に負担がかかるので、例え効かなくても、必ず2日は開ける。処方を間違えないように。


ただ前にもチラッと書いたが、

スリンに帰った後、約1ヶ月振りに、

ウォーキングと筋トレを再開したら、

情けなくも筋肉痛と首周りが寝違えた時以上の痛みに襲われた。


この際もプロキシカムを飲んでみたが、

全く効果無しだった。

筋肉の硬直による痛みには効かないようだ。



さて、、、話を戻す。


バンコクでの移動はBTS(高架鉄道)を良く使う。


今回はまあ何度も席を譲ろうと声をかけられた。

立っている方が楽だとは言え、歩くときにもぎこちなさがあったのだろう。


座ると逆にしんどいので丁重にお断りはしたけど、ありがたいことだ。


こんなに皆が躊躇なくスッと譲ろうとするのは日本では少い気がする。


日本では老人は確かに多かった。


そして腰の曲がった老人が手押し車を押しながら、独りで歩いているのを何度も見た。

歩幅が20センチくらいしかない老人が、

スクランブル交差点をヨチヨチと渡っていたり。


これは異様に見えた。


タイなら必ず脇に誰かが付き添っている。

もし独りだったら赤の他人が助けに入るだろう。


が、日本ではそんな老人の横を、学生やサラリーマン達が気を止める風も無く早足で通り抜いていく。

まるで老人は透明人間だ。


また街中の掃除や駅やビルの通路等の清掃員にもかなりの歳の人が大勢いたのも驚いた。

やはり腰が曲がり歩くのも大変そうな人が、掃除用具を手押し車にのせて運んでいる。


歳をとって暇もあるし、好きなことを、ボケ防止にやってる、、、という風には見えなかった。


こんな歳になっても働かなくてはいけないのかと悲しくなった。


自分よりも上であれば、団塊の世代だ。

バブル絶頂期を一番享受できただろうに。

それとも当時流行り始めた、どこの会社企業にも所属せず、フリーターとして自由に生きた結果がこれなのか、、、。


いずれにしても、これから衰えていく一方の自分が、日本へ戻りたいとは思えない風景だった。


今はタイも老人は多い。

が、子供も多い。

そして老人を尊び大切にする習慣がある。


日本も昔はそうであったとは思うのだが、、、。


何故こうなったのかは自分のような者には解らない。


老害と呼ばれるような迷惑な老人が多いのも知っている。

悪いと知りながら万引きを繰り返す老人も多いらしい。


核家族化が極端に進み、

誰にも相手にされず、透明人間化した老人達。

彼らの心が壊れ、精神異常として発症した結果にも思えるが、、、。