余命わずかです 「あっ そう」 | 覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

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覚技(かくぎ)とは、さまざまな心理療法に、武術や音楽やシャーマン的テクニックを取り入れた、こころとからだに目覚めをもたらすトレーニング・メソッドです。

「肝臓がんになった原因は全部わかってるの」

これはこころに残った、
吉福さんのことばです。



発覚したのは今年4月のはじめ。

病院にはかからない人なのですが、
具合がかなり悪くなって家族の勧めもあり、
検査をしたら、、、末期の肝臓がん。
しかも余命はわずかとのこと。

ふつうは即、入院の状態です。

でも吉福さんは、
かなりの痛みがあるけれど、
自然なかたちで死を迎えたいと延命措置は選択しないで、
自宅で家族とともに余命をすごすことにしたといいます。

そんな吉福さんのお家でぼくは、
亡くなる3日前までの5日間をすごしたのですが、
そのときに話してくれた話がこれでした。



ベッドの上で、
「肝臓がんになった原因は全部わかってるの。
僕は今まで一つ一つ、すべて納得してやってきたからね。
すべて自分がやってきたことの結果だって受け止めているんだよ」

とカラッとした表情でいったんです。

ああすればよかった、こうすればよかったという
後悔もしていなければこころ残りもないと。

たしかに、彼と近くで接していると
どんなときでもぶれずに自分自身でいるのがわかります。

一つ一つの出来事にたいして、
自分自身をぶらすことなく、
丁寧に対処してきたのでしょう。


吉福さんがやってきたことは膨大な範囲に及びます。
きっと必要を感じたことは、
無理をしてでも引き受けてきたんだと思います。
たとえそれが自分の寿命を縮めることになっても。



原因はすべて自分にある
という考え方がありますよね。

そうなったのはすべて自分の責任。

人間関係のストレスや生活習慣、環境など、
自分以外に原因があるように見えたとしても、
それを選んだのは自分自身。

極端な話、
事故のように自分の関係なさそうな出来事も自分のせい。



それはそうかもしれない、と思います。

でもたとえそれがわかっていたとしても、
とつぜん余命わずかと宣告されれば、
動揺するのが当たり前だと思います。

吉福さんそれを、
「あっそう」と受け止めた、、、
やっぱり普通じゃないです。

もしぼくが同じようなシチュエーションだったら、
とても「あっそう!」なんて思えないだろうなあ。
少なくとも納得するまでじたばたしそうです。

あらためて、吉福さんてすごい人だなあと思いました。



「大死一番」という仏教用語があります。
(タイシイチバンと読みます)

吉福さんが以前によく口にしていたことばで、
「死ぬ覚悟で何かをしてみる」という意味だそうです。

吉福さんの死へのプロセスを見ていると、
彼はほんとうにその言葉通りを生きた人だったなあと思います。


大死一番の生き方。

ぼくは笑止千万の生き方にならないよう、
ぼくなりにがんばろっと。

「吉福さんってどんな人?!」⇒コチラです


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気づきとアウェアネスの技術~覚技ワークス主宰★新海正彦