大地と接触している程度にしか、現実とつながっていない | 覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技(かくぎ)とは、さまざまな心理療法に、武術や音楽やシャーマン的テクニックを取り入れた、こころとからだに目覚めをもたらすトレーニング・メソッドです。


「板につく」っていいますよね。


「板につく」で、
僕が最初に思い浮かぶのはお寿司屋さん。寿司職人すね。

僕の実家が築地でお店をやっていて、
家が月島という下町っ子だったからだと思います。
あっ、お寿司屋さんじゃないです^ ^;


「っらっしゃい!!」

「おー兄ちゃん!すっかり板についたねー!入って何年になる?」

みたいな(笑)

落語か^ ^;(一人ツッコミ)


この「板につく」の語源は、
経験を積んだ役者の芸は舞台にしっくりなじんでいる、
という意味だそうです。

舞台って板張りだから「板につく」ですね。


これ、見た目について表現している言葉だと思うのですが、
体の状態のことも言っていると思うんです。


僕たちは緊張している時、
足の裏に注意を向けてみると足の指に力が入っちゃってて、
足全体が丸まってます。
なので実際、足裏が地面にちゃんと接していないんですね。

逆に不要な緊張が抜けて、ドーンとしている時って
足の裏もやわらかく、地面にしっかりついています。

つまり「板について」いるんですね。


仕事や芸事も、最初は覚えるのも大変だし、
次にどうするかを考えることで、もー冷や汗もの。

でもだんだん慣れてくると、
自分のことで精一杯だったのが、周りも見えてきて
周囲にも注意が行き届きはじめる。

すると、
「おー兄ちゃん!すっかり板についたねー!」ってなるんですねー。



アレキサンダー・ローエンという臨床家がこういっています。

「大地と接触している程度にしか、現実とつながっていない」


周りの気配がよく見えて、自分がやっていることがよくわかっている。

役者でいえば、舞台の上で存在感があり、一回り大きく見えるようになる。


足の裏、あなどるべからず、ですね!


覚技ワークス主宰 新海正彦