「板につく」っていいますよね。
「板につく」で、
僕が最初に思い浮かぶのはお寿司屋さん。寿司職人すね。
僕の実家が築地でお店をやっていて、
家が月島という下町っ子だったからだと思います。
あっ、お寿司屋さんじゃないです^ ^;
「っらっしゃい!!」
「おー兄ちゃん!すっかり板についたねー!入って何年になる?」
みたいな(笑)
落語か^ ^;(一人ツッコミ)
この「板につく」の語源は、
経験を積んだ役者の芸は舞台にしっくりなじんでいる、
という意味だそうです。
舞台って板張りだから「板につく」ですね。
これ、見た目について表現している言葉だと思うのですが、
体の状態のことも言っていると思うんです。
僕たちは緊張している時、
足の裏に注意を向けてみると足の指に力が入っちゃってて、
足全体が丸まってます。
なので実際、足裏が地面にちゃんと接していないんですね。
逆に不要な緊張が抜けて、ドーンとしている時って
足の裏もやわらかく、地面にしっかりついています。
つまり「板について」いるんですね。
仕事や芸事も、最初は覚えるのも大変だし、
次にどうするかを考えることで、もー冷や汗もの。
でもだんだん慣れてくると、
自分のことで精一杯だったのが、周りも見えてきて
周囲にも注意が行き届きはじめる。
すると、
「おー兄ちゃん!すっかり板についたねー!」ってなるんですねー。
アレキサンダー・ローエンという臨床家がこういっています。
「大地と接触している程度にしか、現実とつながっていない」
周りの気配がよく見えて、自分がやっていることがよくわかっている。
役者でいえば、舞台の上で存在感があり、一回り大きく見えるようになる。
足の裏、あなどるべからず、ですね!
覚技ワークス主宰 新海正彦