いきなり涼しくなり、秋~って感じになりなりました。
今日はそんな秋の気配にもってこいの本を紹介します。
「茶の本」という文庫本ででている薄い本があります。
名著です。
地味~な本です^ ^;
「茶の本」といっても茶のことだけでなくて、
日本文化論のようなことが書いてあります。
面白い^^/
ジワジワきます。
今回は「茶の本」のお茶について書かれたところを少し引用します。
「ひっそりと静まりかえる中、
ただ鉄の釜の湯の沸く音だけが聞こえるようになったところで、
ようやく亭主が入ってくる。
釜のそこには鉄片が置かれていて、
湯がたぎるのにあわせて、
霊妙な調べを奏でるようになっており、
その調べに、客たちは、思い思いに、
雲に包まれた滝の響き、
遠くの海から聞こえてくる岩に砕ける波の音、
竹林を払う風雨の響き、
どこかはるかな山の松林のなる音などを
聞き分けるのである。」
格調高いです。
僕たちもお茶室にいたら、
きっとこの静かな感じを深~く味わえるかもしれません。
でも気持ちさえあれば(ちょっとした気合もあれば?!)、
この静かな気持ち、どこでも味わえます。
部屋で聞こえる音はエアコンの音だったり
外の音は車が通る音だったりするかもしれないし、
人の話し声かもしれない。
でもそれらの音にそっと耳を傾けてみる。
普段、けっこう聴いていないですからね、周りの音って。
そんな音を、ただただ「音」として聴いていると、
だんだん気持ちが落ち着いてくる。
自然のある静かな場所で、
葉っぱのすれる音や自然のささやき声を
聴くことができたら一番いいでしょうね。
でも今いる場所でちょっと気分を変えるつもりで
やってみると、案外その場でもイケちゃいます。
ドラえもんの「どこでも茶室」です(笑)
「茶の本」には日本や東洋について
いろいろな示唆に富んだお話があります。
折に触れてこの本について書いていきますね。
覚技ワークス主宰 新海正彦