「お話その十弐」
ここで話を武術のほうに戻しますね。
もうここ数話で、なんの話だったかわからなくなってしまっていたのでは?(笑)
覚えてますか?
新海老人のお話だったんですよー。
「新海老人のヨレヨレ物語」いよいよ最終回^ ^
心理方面を勉強している頃、
僕はもう道場へは稽古に行っていませんでした。
しかし、前述のように僕がやっていた武術は
「日常こそ稽古であり本番」ですから、
普段の生活のなかで芯を感じているという
修錬をずーっとやり続けていました。
(ねーまじめでしょ?!)
武術で身につけた心境のようなものは、
その後自分がセラピーをやるようになった時に
セラピーのセッションにも使えることがわかりました。
クライアントの方と向き合う時のセラピーのスキルとして、
自分の内面を感じる、相手の内面を感じる、
そしてその場にも意識を向けるというのがあります。
このセラピーのスキルに加えて武術で体感した感覚は、
実際のセッションの現場で十分活用できると確信したのです。
心理療法は精神的に病んでいる人を対象にしたもの
という印象がありますが、それだけではないんですね。
心理療法の成り立ちが、病気治しから始まったという経緯で
そういう印象が強いんだろうなと思います。
でも心理療法には、
私たちが自分自身の体や心を目覚めさせるのに有効な
たくさんのメソッドが存在しているんです。
そこで僕は、私たちが目覚めるためのメソッドとして、
心理療法、ボディワーク、瞑想法などの中から、
実践して特に有効だったものを組み合わせたり、
融合させたりして、新たなワークを作ってみるようになりました。
そしてそこでできあがったワークに
「覚技」と名前をつけることにしたのでした。
「覚技」の誕生です~
(テーマ曲『2001年宇宙の旅』♪フェエイドイン!・・・なんて)
ちなみに、
現在、覚技は3つのテーマでワークショップを開催していますが、
その中の「センタリング・メソッド」が生まれたのは
武術を習得する稽古をボディワークととらえたのがきっかけでした。
つまり武術を、
「ボディワークと意識の使い方」という観点から見直して、
誰でもが取り組めるよう、ワークとしてまとめたものが
このセンタリング・メソッドなのです。
グループワークとして使えるものがたくさんあるんです。
さて、そもそも今回の連載ブログは、ある方から発せられた
「なんで武術なんですか?」という一つの問いから始まったものですが、
以上に書いてきたお話がその答えとなります。
ざっくりまとめると、
ある日事故に遭って武術を始め、
その武術を通して体に興味が湧き、
体に興味を持ったら心にも興味が出て、
心理療法を学んでいったら武術の動きが
心理的ワークにも使えることがわかり、
ワークショップに仕上げた…ということです。
簡単です。
なのに全十弐話なんて、ずいぶん長くなってしまった~
6行で足りたじゃんという突っ込みはナシですからね。
これで「新海老人のヨレヨレ物語」を終わります。
読んでいただいてありがとうございます!
ところで先日、メールで
「新海老人、読んだよ!」
と書いてきた友人がいました。
「新海老人(を)読んだよ!」なのか、
「新海老人(呼びかけ)、あれ読んだよ」なのか?
どうかこの愛称が定着しませんように・・・。(祈;)
覚技ワークス主宰 新海老人 ち、ちがった! 新海正彦