皆さん、おそらく一度はカラスとかトンビとか
大型の鳥を間近で見た経験がおありだと思います。
たとえば街中で何かの気配を感じてふっとそっちを見たら、
すぐ近くのガードレールの上にカラスがとまっていて
ビクッとしたというような経験。
近くで見ると大きいですねえ、
「ああ、こんなにデカいんだあ…」と改めて実感する瞬間です。
そしてけっこう怖い・・・。
「襲ってきたらヤバイかも(汗)」と怖くなります。
サイズ的には大人の人間のほうが圧倒的に大きいのですが、
襲われたら大怪我しちゃうかも、と思うと恐ろしいです。
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実は僕は、この経験のものっすごいやつをしたことがあります。
アフガニスタンの山の上で、羽を広げれば3メートルには
なろうかという大鷲と遭遇したことがあるのです。
それはバルフという古い街の街外れにある丘。
その日、僕は一人でその丘へのぼっていました。
素晴らしい景色を眺めながら、30分ほど歩いて丘の頂へ到着。
広大な景色が目に入って喜んだその瞬間、
すぐ近くに何かの存在感を感じました。
「あ、他にものぼってきてた人がいたんだ」と思って
なにげにそちらへ目をやると、てっきりそれは人だと思っていたのに、
なんと、ものすごく大きな鳥でした!
羽をたたみ、岩の上に人のようにたたずんでいます。
人間ほどの大きさです。足が太っ!
しかも鳥との距離は3mもないくらい。
他に誰もいない。
大きな鳥と僕だけ・・。
僕が鳥を見ると、鳥も僕を見ていました。
僕がいきなり岩をよいしょっと上がってきたので
飛び立つタイミングがなかったのでしょうか、動かずそこにいたままです。
「うわっ・・・!! やばくね、これ!! どうするよっ!?」
というシチュエーションです。
大きな鷲でした。しかも射抜かれそうな目が、マジっ!
結局、動かないまま(動けないまま?)
その場でじっと鳥と対峙していました。
時間が長く感じるってこういう時ですね。
どうなっちゃうんだろうと思ってじっとしていると、
先に鳥のほうが動きました。
「やられるっ!」
その瞬間、僕はなかば覚悟したのですが、
鳥はブワァサ~ッと羽を広げると僕の方へ向きましたが、
サッと反対に方向転換して向こうのほうへ飛んでいってしまいました。
羽を広げたとき、その風切り羽の先が僕のすぐ近くをヒュッと横切っていきました。
僕がホッとしたのは言うまでもありません。
今でもあの目と、その光景が目に焼き付いています。
そして今でもあの鳥の存在感が僕の中に残っています。
あの鳥の存在感というのは一体なんなのでしょうか?
肉感的な雰囲気をあわせ持った、圧倒的な存在感というようなものがあります。
あれは鳥がただ堂々と鳥でいるという存在感なのでしょうか?
存在感ということを考える時、いつもこの時のことを思い出します。
覚技研究会 新海正彦
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→《ファシリテーターのための場の力》