みずからとおのずから | 覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技ワーク~注意の行き届いた自然体★新海正彦

覚技(かくぎ)とは、さまざまな心理療法に、武術や音楽やシャーマン的テクニックを取り入れた、こころとからだに目覚めをもたらすトレーニング・メソッドです。

$心のクセに気づくための覚技研究会主宰★新海正彦-八幡平先日部屋を整理していた時、鈴木大拙さんの講演テープを目にして、久しぶりに生前のナマ声を聞きました。随分古いものですけど。

鈴木大拙さんは禅の学者で、海外ではD・T・Suzukiとして知られていて、経典を翻訳したり、また禅の精神を英語で伝えたりしたことで、禅の思想を最初に海外に広めた功労者です。すごい人ですねえ。フロイトの弟子のC・G・ユングとも交流があったそうです。


今回聞いたテープのタイトルは「最も東洋的なるもの」。(現在はCDとして販売しているようです)
東洋と西洋の自然観の違いについて触れているところで、その違いを鈴木大拙さんは「みずからと、おのずから」ということばで表現していました。

ざっくり言うと、西洋の自然観は、自然は他者であり、征服するべきもの、という捉え方、つまり「みずから」するという考えに基づいているのに対し、東洋の自然観は、「自然」という漢字が表しているように「おのずから、しかるべく」という、「あがらわない共生的な生き方だ」と語っています。

西洋と東洋を対立的にとらえて語っているので、少し極端な感じがしますが、講演した当時の時代背景もありますし、あえてわかりやすく還元的に語っているのでしょう。

この話を聞いて僕が興味を持ったのは、「西洋vs東洋」を「みずからと、おのずから」という切り口でお話していたことでした。

「みずから」は自分がものごとを起こす、ということで、「おのずから」は自然と起る、つまり「おのずから、しかるべく」起る出来事や流れのことでした。


覚技 研究会 新海正彦