「ご当地エネルギー」とは、
その土地ならではのものを利用して作る
地産地消のエネルギーのこと。
再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まり、
全国に「ご当地エネルギー」が広がってきています。
「うどん県」として有名な香川県では、
お店で出されている「割り箸」の
リサイクル活動をしていたNPOグリーンコンシューマー高松の
「捨てられているうどんをなんとかできないか?」
という「もったいない精神」からこのプロジェクトが始まったとか。
うどんの主成分は「でんぷん」で、
多くの「糖」からできており、
糖を酵母が食べると「エタノール」と「炭酸ガス」が出ます。
その「エタノール」はうどんをゆでる燃料に使うことができます。
そして発酵してできた「バイオガス」を燃焼させ
タービンを回すと発電することができます。
これが「うどん発電」です。
またバイオガスからさらに液肥や肥料をつくり
小麦粉やネギの栽培に活用できます。
うどんを打ち、うどんを食べながら
学校での環境教育、そして食育にも広げていて、
次世代につなげていくことも行っています。
「うどん」から「うどん」だけではなく、
未来へ向けての「暮らしの提案」です。
プロジェクトではFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を利用して
四国電力に売電を行っています。
2014年~2016年の3年間に廃棄ゴミ858トン回収し、
10,765kWhの発電ができ、
温室効果ガスを141トン削減しています。
企業でいえば、「さぬき麺業」では廃棄するうどんの処理に
年間450万円もの処理費用がかかっていたそうですが、
現在は週1回プラントをもつ「ちよだ製作所」に廃棄うどんを持っていき、
そこでバイオガスによる発電を行い、
年間700万円の売電収入を得ることができているそうです。
ちよだ製作所にて
バイオガス発酵プラント
この取り組みを地域単位などで行っていけば、
地域ごとでエネルギーをつくっていくことができます。
「うどんまるごと循環プロジェクト」は
コーディネーターとしての事務局が存在し、
企業、NPO、行政、ボランティア、学校が関わり合い、
協働プロジェクトとして活動していることがうまくいっている理由の一つ。
最初のきっかけが「もったいない」から始まっており、
地域も企業も住民もそして地球にもやさしいということが
大切なのだとだと思います。
地球の上に住むものとして、
人間は自分たちがつくったもの、出したものは
地球に負担をかけるのではなく、自分たちで処理できるようにしなければなりません。
「循環型社会」とは、人と自然とが共生していく社会のこと。
まずは「ゴミを出さない」ことが前提ですが、
出たものをどう処理するか、どう循環させていくかを考えて
つくっていかなければならないということを改めて教えて頂きました。
化石燃料に頼らない社会の実現に向け、
地球温暖化防止の取り組みとして、
この「エネルギーの地産地消」
「ご当地エネルギー」は今後全国で広がっていくでしょう。
愛媛県でもこの取り組みが広がっていくよう、
情報発信していきたいと思います。