今、日本中で「働くこと」への見直しが行われている。
最終的には「幸せとは何か?」ということに繋がるのだと思う。
先日企業訪問に伺った「サイボウズ株式会社」のことを知ったのは
10年前に読んだ株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長の
小室淑恵氏著書「新しい人事戦略~ワークライフバランス~」の中で紹介された
「育児休業、介護休業は最長6年」
という取り組みだった。
「なんという大胆な発想」と当時驚いたことを覚えている。
子どもが就学するまでの最長6年間育児制度が利用でき
回数も特に定めがないとしていた。
実際は休む理由はとくにこだわっておらず
「休みたい人には休んでもらい、
戻りたい人には戻ってもらう」というサイボウズの考え方。
10年前にすでに実践され、そして今もその取り組みや考え方は継続されている。
「そんな制度つくったら誰も会社に来なくなるのでは?」
「休みたい人は休んでいいなんて、さぼっていいと言っているだけではないか」
と考える方もいるだろう。
しかしながら現在、サイボウズはGreat Place to Work Instituteが発表した
2017年版「働きがいのある会社」女性ランキングで
世界50カ国の中、従業員100~999人の企業部門で
堂々の1位を獲得している。
同調査の評価は、女性社員のアンケート結果、
女性社員が働く環境の会社施策・プログラム、
女性社員比率などの企業データ、以上の3基準から総合的に判断しているという。
(マイナビニュースより)
サイボウズの「育児休業、介護休業最長6年」というのは
「安心して長く働いてほしい」という会社からのメッセージ。
「本当にやる気があれば6年間休みたいとは思わないでしょう。
でも休むことができる制度があれば安心する」
当時の人事担当者の言葉。
10年前に読んだ本を再びめくり、
その言葉通りの結果になっていることに納得した。
社員の自主性を信じ、
一人ひとりの存在を尊重しているという会社の姿勢、
そして覚悟が結果的には会社のためになるということなのだということ。
「働きがい」をもって社員が働けば、
会社は常に活気があり人が集まり
「この会社でずっと働きたい」と思う。
結果的に会社の業績が上がることにつながる。
これまでの「残業削減」「業務の効率化」のような
制度に振り回されるような内容ではなく
サイボウズが今提案しているのは
「100人100通りの働き方」
一人ひとりが自分のペースで生き生きと働けるよう
、それぞれの事情に合った制度設計。
やみくもに社員の希望を叶えるというのではなく
「チームワークあふれる社会を創る」という考え方のもとに
嘘をつかず「公明正大」であり、自分の意思を伝え
る「質問責任」「説明責任」を果たし「自立」していることが前提となる。
お互いの意思や計画を職場で共有し、確認しながら足りないところは補い、
調整し互いに助け合う仕組みをITの力を借りてよりスムーズに行えるようにしていく。
「自分の力を信じて任せてもらえる」
「互いに協力しながら補っていける仲間がいる」
「いつでも戻れる場所がある」
そのことが「働きがい」であり
「幸せを感じることができる」ことになる。
現在松山市とサイボウズが連携して
「働き方改革推進都市まつやま」を目指し、
市民一人ひとりの「幸せ」が実感できるように取り組んでいる。
この取り組みが愛媛県内でも広がり、
多くの方が「働くよろこび」や「自分らしくいられる居場所がある」ことを
感じられるようになればと心から願っている。