同級生の訪問看護 | かくだ訪問看護日記

かくだ訪問看護日記

敦賀ケアセンターかくだ訪問看護ステーションの日々の記録

昨年のクリスマスに近い日に訪問看護の依頼がありました。

一人暮らしの癌末期の彼は同級生でした。

部活も一緒だった彼は昔と一緒で素敵な人でした、

でも~少しおじさんになっていました(当たり前ですね、私もおばさんですし( ^^) _U~~)

彼から

『病院で肺がんでもう治療することないと言われたの、ステージⅣですか?と聞いたんです』と。

 

私からは

『なんでこんなになるまで分からなかったの?』と。

ヘビースモカーの彼は 60本/日 煙草を吸っていたそうです。

 

毎日の訪問看護で徐々に動けなくなっていく彼を一日に何回か訪問してサポートしていました、

ある日夜中に私の携帯が鳴りました、

『トイレで動けなくなった」と。

 

訪問すると、

トイレで尻もちをついた形で冷たいタイルの上に座っていました、

立つことができず、何とか介助でベッドへ、

その後も何度か緊急の呼び出しがありました、

トイレへ立つことが出来ないと自覚するのはそう時間がかかりませんでした。

 

今年に入り、

食事もとれなくなり、点滴開始。

痛みに対しては麻薬。

痰の喀出もできなくなり、吸引器、

酸素も開始です。

お風呂も自宅では無理となり、

これ以上自宅では生活が無理というのもあり、

看護小規模多機能に変更して泊り利用になりました。

 

24時間点滴、

酸素吸入、

お風呂は機械浴、

痰の吸引は随時、

 

『 もういい、逝かしてくれないか~』 と 一度言ったことがありました、

私は

『私を刑務所に入れたいの』と。

 

『誕生日まで入れるかな?』

『桜見れるかな』

『海が見たい』

 

桜は見ることができませんでした、

亡くなる3日前、天気がよくて暖かい日、

看護師二人付いて運転手と海にドライブです、

仲の良い友人3人に連絡して海で待ち合わせでした。

 

青い空と、青い海が最後のドライブでした。

 

亡くなる日、

酸素マスクを取るとSpO2は44%と驚異的な数字になり、

『マスク取らないで』 と 言うと右手でオッケイマークを下顎呼吸をしながら出しました、

遠くにいる妹さんたちと会って10分後に息を引き取りました。

 

安らかに眠ってください

ありがとう!!

 

本日、

葬儀で眠っている彼は笑っていました、

私はもう少し働いてから行くからね!!