エルサレム女王イザベル1世について『アラ
ゴン王家の亡霊たちの呟き』で話題にして
います。
イザベル1世はボードゥアン4世とシビーユの
異母妹でシビーユと彼女の2人の娘が亡くなっ
た後エルサレム女王となりますが、彼女の生
涯は幸せとは言い難いものでした。
イザベル1世は生涯に4度結婚します。最初の
夫オンフロワ・ド・トロンと結婚した時（こ
の時はまだ女王にはなっていない）カラク城
がサラディンに襲撃されます（ルノー・ド・
シャティヨンが悪い）
2番目の夫モンフェラート侯コンラート1世は
イザベルとオンフロワとの結婚を無効だと認め
させてイザベルと結婚、彼は2人の間の娘マリ
ーアが生まれる前に暗殺教団によって暗殺され
てしまいます。暗殺教団に暗殺されるなんて嘘
みたいな話ですが、それだけエルサレム周辺は
いろいろな勢力があって危険な場所になってい
たのだと思います。
3人目の夫はリチャード1世の甥シャンパーニュ
伯アンリ2世（彼の母はルイ7世とアリエノール
の娘）と結婚しますが事故死してしまい、4人
目の夫はギー・ド・リュジニャンの兄エメリー
でした。
イザベルはエルサレム王国の女王になりますが
結婚なども本人の意思ではなく政略結婚で周囲
の人に翻弄された人生だったと思います。エル
サレム王国は衰えていくのですが、それでもそ
の名前の力は残り、歴史の流れを変えていくの
です。そしてエルサレム王国はイザベルの娘の
マリーア、孫のイザベル2世と女王が続くのです
が、いずれも産褥熱が原因で若くして亡くなっ
ています。
エルサレム王国の歴史はフランスやイングラン
ドなどの歴史とも密接な関りがあり、より複雑
になっているということに驚きました。そして
現代でもエルサレム、イスラエルは３つの宗教
の聖地があるために争いの絶えない地域となっ
ています。
