![伊王島岡町](https://stat.ameba.jp/user_images/20101014/09/kako369/d6/b3/j/o0500037510800307087.jpg?caw=800)
ワーッ!!ごめんなさい。おばちゃん。
ドッバーン。心臓が飛び出していた。
『あれ?あんた、梅田さんがたの子じゃなかね~』
『これから、毎日学校帰りにうちに寄らんばよ』
その日の夜、母が私を呼ぶ度に ヒヤッ。
ビクついていたが、バレずに朝を迎えた。
更なる恐怖は、学校帰りのかめこ、、、
横目で見ていた私を、おばちゃんが見つけた。
吸い込まれるようにおばちゃんに近寄ると
おばちゃんはニタッと笑い『はい、』
手渡されたものは、メロンパン。
な、なに?ん?どして?
両手で大切に持って立ち尽くしていた。。。
『ここで食べていかんばよ』
食べんかったら? どうなるんかな~?
あれだけ、美味しそうと思えていたメロンパン。。。
一口食べてみた。。。なにも起こらない。。。
大丈夫みたい。。。おばちゃん笑ってるしぃ~
『気つけて帰らんばよ。お母さんに言うたらダメとよ』
それ以来、学校帰りに毎日おばちゃんから
メロンパンやアンパンをもらって食べていた。
風邪をひき、学校へ行けなかった時ですら
その時間になるとランドセルを背負って
かめこへ行った。行かないとヤバイと思っていたから。。。
『熱んある時に、来んちゃよかっとぉ』。。。
叱られた。。。
島を出るまでの数年間おばちゃんがニタッと笑って
私にしてくれていた事はすごかったんだと、
大阪へ引越し、随分経ってから分かった。
お礼を言わなければ。。。
島を出て20年ほど経っておばちゃんに逢いに行った。
懐かしい。なにもかもが小さく見える
もうじきだ。この橋を渡るとかめこだ!!
ワクワクしてきた。
古めかしい商店が立ち並び、かめこもあった!!
元気よく入った『こんにちは!!』
おばちゃんの姿は、もうなかった。。。
合唱